こんにちは、若林です。
年明け早々、緊急事態宣言が再発出されたかと思えば、つい先日は日経平均3万円を超え、ビットコインも5万ドル超えと、波乱の日々が続いておりますが、みなさまお元気でしょうか。
日経平均3万円超えは約30年ぶりで、単純に考えればバブルの再来なんですが、今がバブル期と同じでないというのは誰が考えてもわかりますよね。
これだけ実態とかけ離れてしまうと、この先どうなっていくのか本当に心配、ますます経済格差が広がっていくように思います。
■Clubhouseご存知ですか?
みなさんは、Clubhouseというアプリをご存知ですか? 最近はネット上だけでなくテレビのワイドショーでも取り上げられるほどになっている、Clubhouse。
完全招待制のSNSということで、騒がれ始めた当初は「Clubhouseの招待ください」「招待枠あります」みたいな投稿が、FacebookやTwitterにあふれました。
そんな状況に辟易としていたので、様子見を決め込んでいた私も、やってみないとわからないかということで誘ってくれていた友人の招待を受けて参加。おおよそ、どんなものかが分かってきました。
今のところ、私には「従来のSNSよりも安全性の高い音声SNS」と見えています。今回は、話題のClubhouseとは何か、なぜ安全性が高いのかについてまとめてみたいと思います。
■Clubhouseのルール
Clubhouseの基本的なルールは次の通りです。
・完全招待制、招待なしに参加できない。
・招待できるのは、自分のスマートフォンのアドレス帳に電話番号が登録されている人だけ。
・アプリ上でのやりとりは音声のみ、チャットなどテキストでのやりとりは無し。
・原則としてアプリ上での会話は記録不可、Clubhouse外での公開も不可(参加者に対する書面での同意があれば可)。
ルールではありませんが、今のところアプリが提供されているのはiOS版のみとなっていて、PCはもちろん、Androidからは参加できません。
SMSが受け取れるスマートフォンや携帯電話があれば、そちらで認証用のSMSを受け取り、ClubhouseアプリのインストールされたiPadやiPodtouchに入力して参加、という方法を取ることも可能です。
■安全な理由その1:裏アカウントや捨てアカウントが作りにくい
Clubhouseが安全な理由のひとつは、完全招待制で誰に招待されたのかが、自分のプロフィール画面に表示されることです。
これにより、いわゆる裏アカウントや捨てアカウントが作りにくくなっています。
アカウントを作成するには電話番号が必要なため、複数のアカウントを作るためには余分に電話番号が必要になります。この時点でハードルが上がります。
電話番号を取るということは携帯電話会社との契約が必要になりますから、気軽に裏アカウントを作るというわけにはいかないのです。
仮に複数の電話番号を持っていたとしても、誰に招待されたのかが自分のプロフィール画面に表示されるため、それをたどっていけばどこで誰かにつながる。
つまり、完全に身元を隠すことができないのです。これも間に何人もの人を経由すればわかりにくくできますが、そのためには多くの協力者もしく携帯回線の契約が必要になるため、これもハードルが高い。
これらの理由から、裏アカウントや捨てアカウントが作りにくい構造になっているのです。
TwitterなどのSNSでは、「身元のわからないアカウント」が誹謗中傷や炎上の原因になっていることが多く見かけられますがClubhouseでは起こりにくい。これが一つ目の安全な理由です。
■安全な理由その2:実名より実声が過激な発言をおさえる
2つ目の理由は、テキスト(文字)でのやりとりがなく、音声のみであるということです。Clubhouseでのやりとりは「ルーム」と呼ばれるグループ単位で行われます。
ルームの中にはスピーカー(話者)とオーディエンス(聴衆)がいて、スピーカーの中でもルームを立ち上げた人はモデレーターと呼ばれます。
モデレーターは、他のスピーカーをモデレーターに指名したり、オーディエンスの中からスピーカーを指名できるという構造になっています。
ルームの中で話せるのはスピーカーのみでオーディエンスは話すことができません、ヤジを飛ばすこともできないのです。
これも多くの方が経験していると思いますが、テキストでのやりとりだとキャラが変わる方も多々いらっしゃいます。
直接会って話すと普通なんだけど、文字でのやりとりになるとキツくなったり、あるいは同じことを言っていても、文字で受け取ると印象と声で受け取る印象が違うことも多くあります。
また、文字よりも自分の声の方がより明確に自分のキャラクターが現れることもあり、話す内容もややマイルドになっているように思います。
これまでは匿名SNSよりも実名SNSの方が安全と考えられていましたが、実名よりも実声の方がより揉めごとが起こりにくいのではないか? Clubhouseを使ってみて、そのように感じています。
■安全な理由その3:一部の加工や拡散ができない
3つ目の理由は、Clubhouse内でのやりとりの記録(録音やメモ)や内容を他で公開することが禁止されていることです。
音声や文字などで記録が残り、それがなんらかの形で公開されてしまうと、そこで炎上が起こる可能性があります。
すべての情報が公開されればまだいいのですが、一部が切り取られたり加工されればさらにその可能性が高まります。すべてのやりとりがリアルタイムのみで進行するため、終わってから別の解釈がされることもありません。
そう考えれば、テレビが放送のみで炎上するということは聞いたことがありません、炎上はすべて他のテキストSNSで起こっているのですね。
この点に関しては、Clubhouseの録音ではなく別メディアとの併用(Clubhouseで話していることを同時にInstagram Liveにも流すなど)して回避する動きもありますが、個人的にはやめておくべきではないのかと思います。
■現時点でもっとも炎上や誹謗中傷の起こりにくいメディア
以上の3つの理由から、Clubhouseは現時点でもっとも炎上や誹謗中傷の起こりにくいメディアだと思います。
いまだにAndroid版がリリースされていない理由も、自由度の高いAndroidだとiPhoneに比べて録音がやりやすいからだと言われています。それも上記の理由を考え、Clubhouseが安全性を重視しているのであれば納得できる話です。
とはいえ、こういうサービスは利用者が多い方がいいので、iPhoneユーザーとしてもAndroid版はなくてよいとは思いません。一日も早くAndroid版がリリースされることを望むばかりです。
また、FacebookやTwitterもClubhouse対抗サービスの立ち上げを計画しているという話もでていますので、それらが先に出てくるのかもしれません。
音声SNSという古くて新しい形、今年の大きな動きのひとつになりそうです。
【若林健一 / kwaka1208】
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