crossroads[103]ボーナスについて考える
── 若林健一 ──

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こんにちは、若林です。

4月になって、非常勤の仕事も始まりました。電車に乗っていると、新入社員らしきスーツ姿の若い人たちを見かけます。

まだまだ感染症の影響による暗いニュースが多い世の中で、数少ない明るさを感じる光景です。新しい生き方、働き方を作るのはこれからの若い人たちなので、ぜひ頑張って欲しいものです。





■就活の決め手は?

新入社員のみなさんが関係するのはもう少し先だと思いますが、今回はボーナス(賞与)のお話です。

就活の時に、志望する会社を決める時のひとつの条件として、ボーナスが良いかどうかというのがあると思います。でも、これからはボーナスが職業を決める上でのポイントにはなりません。ちなみに、Wikipediaによると、ボーナスについてこのように説明されています。

賞与(しょうよ)とは、定期給の労働者に対し定期給とは別に支払われる、特別な給料のことで、ボーナス(bonus)やお給金とも呼ばれる。欧米ではいわゆる特別配当・報奨金の類である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B3%9E%E4%B8%8E


ボーナスって日本だけの制度かと思ったら、海外でもあるんですね。海外のボーナスがどんな性質のものかわからないのですが、ここでは日本のものについて述べていきます。

ボーナスというと特別にもらえるお金、ご褒美的な意味があるように感じます。確かにかつてはそうだったのかもしれませんが、現代ではちょっと違います。

今、企業で働いている多くの方は、ボーナスの支給を前提に生活設計を行っていると思います。もしボーナスが支給されないとなったら、ローンの支払いができなくなるとか、子どもの学費が支払えなくなるなどの影響が出てくる方も多いでしょう。

企業側としてもボーナスの支給を前提に、予算を組み人員配置を決めています。つまり、ボーナスは給料の一部であり、特別なお金ではなく、もちろんご褒美でもないんですね。

ボーナスが年収の一部ということは、本来月々支給される給料を減らして、その分をボーナスという形で支給しているということ。そんな風に私には見えています。

一般的に会社員の給料(月々受け取るお金)というのは、業績とか外的要因で変動することがありません。

これが会社員という働き方のメリットのひとつですが、逆に会社員であるがゆえの制限(会社の仕事以外の仕事ができない、決まった時間拘束される)とのバーターであるとも言えます。

しかし、ボーナスは業績や外的要因による影響を考慮して増減できます。もちろん、増える場合もありますが、安定した収入が得られるのがメリットの会社勤めにおいて、唯一収入が減る可能性があるわけですから、そうなると「ご褒美」ではありませんよね。

増額となった場合も、増額となった要因への自分自身の貢献度がわからないことが多い。特に大企業の場合は、担当している事業によって決まることが多いため、個人レベルの結果が反映されにくいのが実情です。

あんまり仕事してない人でも、儲かってる事業に所属しているというだけで、ボーナスが増えることがあるのです。

昨年来の感染症拡大の影響もあって、働き方が多様化し、会社を辞めて会社を起こしたり、個人事業主としての独立を志向する方が増えています。

しかし、ボーナスがなくなることに対する抵抗感から、家族の反対にあうことも多く、自分の思う働き方に転向できない要因のひとつにもなっています。

繰り返しますが、ボーナスは年収の一部でありご褒美でもなんでもないので、年収レベルで問題なければ、ボーナスがないことはデメリットでもなんでもないのです。

ボーナスという制度は会社員(およびその家族)の収入に対する感覚を狂わせるものなので、廃止してしまえばいいのに、と私は考えています。実際、ボーナスとしてもらうよりも、その分を月々の給料に振りわけてもらった方がメリット大きいはずです。

新入社員のみなさんも、何年か経てば自分の働き方を見直すタイミングがくると思います、その時のひとつの視点になれば幸いです。


【若林健一 / kwaka1208】
https://crssrds.jp/aboutme/


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