Take IT Easy![58]人と人をつなぐ交差点になりたい
── 若林健一 / kwaka1208 ──

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こんにちは、若林です。今週は、今の私が目指していることや想いについて述べてみたいと思います。

先週までの三回で、私のキャリアについて紹介してきました。2012年にひとつのキャリアを終えた時、それまで立場的なこともあって発信しなかったことを積極的に発信して行こうと考えるようになり、個人blogとは別に新しいblogを立ち上げ、濱村さんからお声がけいただいたことをきっかけに、デジクリでもその場を与えていただきました。

私が発信したかったこと、それは何だったのでしょうか?




●世の中を変える工夫

私は、自分のキャリアの中で「立場の異なる人たちがそれぞれもう一歩踏み出せば、多くの問題は解決する」という結論を得ました。

世の中は、相対する立場の人の組み合わせで成り立っています。

・上司と部下
・チームのリーダーとメンバー
・メーカーと消費者
・メーカーとお店
・作る人と使う人
・デザイナーとエンジニア
・アプリケーションエンジニアとプラットフォームエンジニア

これらの人々が他方に求めるものはそれぞれ異なります。しかし、それぞれが密にコミュニケーションすることはなかなか難しい。コミュにケーションがうまくいかなければ、お互い自分のポジションで自分の言いたいことだけを言うのでその距離は縮まらない。

しかし、それぞれの事情や本音が他方に伝わったらどうだろう? 相手のことが理解できれば、少しは歩みよりの余地も見出せるようになるのではないだろうか?

歩みよりができれば、それまでわからなかったことが見え始め、新しい解決策が生まれる。そう信じています。

多くの方が理解できると思われる例として、消費者はできるだけ安くものを買いたい、メーカーは少しでも高く売りたい、ということがあります。

しかし、商品の価格というのはメーカーの事情や意思だけで決まっているわけではなく、消費者の要求もそこに大きく関わっています。

消費者が「製品が故障した時の対応が遅い!」とクレームを出せば、メーカーはそれを改善するための体勢を整えるため各地に拠点をつくり、人を配置します。拠点を作って人を雇えばお金がかかりますから、この費用は商品の価格に反映されるわけです。

消費者は、そこまでを望んでいるわけではないのかもしれないけれど、お互いの事情や考えていることがわからない以上、最大公約数的な結果にならざるを得ない。これが現実なのです。

では、もう一歩を踏み出すためには何が必要なのか? お互いを知ることではないでしょうか。

でも、どうやってお互いを知ることができるのでしょう、今までコミュニケーションをとることができなかった者同士が、ある日突然腹を割って話すようになるとは思えない。

おそらく、それぞれの立場を代弁し、媒体となるべき存在が必要なのだと考えています。

私は、私自身が果たしてきた多くの立場の経験を生かし、それぞれの距離を縮めていく役割を負いたいと考えています。

人と人との関係は0か1かではありません、0.6と0.4のようにそれぞれの間には無数の接点があるのです、その中でもっとも良いバランスのポイントを見つけられれば、今までにない新しい視点を得られ、きっと世の中はもっと幸せになると思います。

そういった、新しい視点を見つけるためのヒントになることを発信して、人と人をつなぐ交差点 "crossroads" になりたいのです。

◎休載のご挨拶

さて、2013年9月からデジクリに寄稿させていただいて1年と10か月になりますが、本日の配信を持って休載させていただくこととしました。

今回の休載は、最近の寄稿内容が私自身納得の行くものになっておらず、このまま続けていくのは購読されているみなさんに失礼ではないか、と考えてのことです。

勝手ではありますが、まだまだ発信したいことはたくさんありますし、機会があれば戻らせていただきたいと思っています。

これまでお読みいただいたみなさん、ありがとうございました。また、私が寄稿開始するのをきっかけにデジクリの購読を始めてくれた友人たち、どうぞこれからもデジクリをよろしくお願いします。


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