crossroads[04]それはバグじゃない
── 若林健一 ──

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こんにちは、若林です。先週の日曜日(2月14日)、大阪羽曳野市にあるワイナリーへぶどう畑と醸造所の見学に行ってきました。

ぶどうの産地といえば山梨、長野、山形ですが、昭和初期は大阪が日本一の産地だったそうです。今でも、全国で9位の収穫量、デラウェアに限って言えば全国第3位なんだそうです。

ぶどうの収穫時期は夏、今は何もないぶどう畑でしたが、一部のビニールハウスでは、新芽が出ていました。いつかぶどうがいっぱい実っている時期に行って、ぶどうの香りに包まれてみたいものです。

飛鳥ワイン
http://www.asukawine.co.jp/




●「バグ」と言われる違和感

先週、iPhone時計を特定の日付に設定すると動作が軽くなるという情報が流れ、それを信じて設定したところ軽くなるどころか起動しなくなり、Apple Storeに持っていかなければ復旧しない状態になるということが話題になりました(念のため、具体的な日付などは伏せておきます)。

いつまでたっても、この手のデマもそれに引っかかってしまう人も後を絶たないものですが、この話題で私が気になったのはそれよりも「iPhoneをxxxx年x月x日に設定すると動作しなくなるバグがある」と書かれていたことです。

「え? それ、バグですか?」

確かに、日付を設定しただけで動作しなくなるというのは不具合ではあります。しかし、その日付は通常設定されないものなのです。設定したとしても、カレンダーもタスク管理アプリは使いものになりませんし、メールの受信日時もおかしくなるかもしれません。

つまり、通常の利用に影響がなくわざわざ設定しなければ発生しないものを「バグ」と言われることには違和感があります。

今は、動作がおかしいとか表示がおかしい時に「バグってる」といった表現がされるようですが、それらが必ずしもバグではない場合も多々見かけられます。

使っている方からすれば「動作不良=バグ」なんでしょうけれど、設定の誤り、操作の誤り、ハードウェアの故障といったケースも「バグ」として表現するのは誤りです。

本来、「バグ」というのはソフトウェアエンジニアの言葉でもっと厳密に使われている(少なくとも私はそう考えている)ものが、ソフトウェアやITの世界が一般の方にも浸透してくる中で「バグ」という言葉が広く使われるようになり、ニュアンスも変わっていったように見えます。

目くじらを立てて「バグ」という言葉を使うなというつもりはありませんが、認識レベルに違いがあると、本来は軽微なことであるにもかかわらず、大きな問題であるかのようにメディアにとりあげられたり、広まってしまうこともあります。

そういったことも含みおいて「バグ」という表現を使うことを、メディアにはお願いしたいところです。


【若林健一 / kwaka1208】
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