こんなサブタイトルで書き始めたけど、夏にツラい思い出があるわけではない。夏は暑い。だから嫌いなのである。
いきなり結論から語り始めたが、本当にそうなんだからしかたがない。
とくに私は頭に汗をかく体質なので、寝てるときなんざ、夜ごと枕を濡らすのである。汗で。嫌ですよねえ。冷たくて目がさめるんですよ。
ちなみにウチの寝室にはエアコンがないのである。仕事部屋で寝ればよいのだが、今はモノだらけで床面積的にキツい。はやくおふとんをかけて寝たい。
涼しくなる日も近いとは思うのだが、年々秋の訪れが遠のいていくようにも感じる。3年くらい前だったか、10月に入っても真夏日ってのがあった気がする。
昔は飼っていたカブトムシも8月下旬になると死に、9月の8日くらいまでは暑いくせに5日になると急に涼しくなって、その冷えきった日に小学校の水泳大会があって、みんな唇を紫色にしながら震えていたものだ。
と、ついつい思い出モードに入ってしまったが、それにしても東京の暑さが異常なのか、私の体質が異常なのか、寝室にエアコンを設置しないのが悪いのか。
そういえば、お盆前のある日、栃木県の益子焼っぽいところまでロケハンに行ったのだが、当日はフェーン現象で昼間は地獄のような暑さだった。周囲は水田。天気は快晴。
ところが夕方になると、ヒグラシの声とともにさーっと空気の質が変わって、7時過ぎには昼間の暑さが嘘のように涼しくなった。遠くでカエルのゲコゲコ大合唱が聞こえる。
こうでなきゃ。これぞ夏。これなら、昼間暑くても許す。
いきなり結論から語り始めたが、本当にそうなんだからしかたがない。
とくに私は頭に汗をかく体質なので、寝てるときなんざ、夜ごと枕を濡らすのである。汗で。嫌ですよねえ。冷たくて目がさめるんですよ。
ちなみにウチの寝室にはエアコンがないのである。仕事部屋で寝ればよいのだが、今はモノだらけで床面積的にキツい。はやくおふとんをかけて寝たい。
涼しくなる日も近いとは思うのだが、年々秋の訪れが遠のいていくようにも感じる。3年くらい前だったか、10月に入っても真夏日ってのがあった気がする。
昔は飼っていたカブトムシも8月下旬になると死に、9月の8日くらいまでは暑いくせに5日になると急に涼しくなって、その冷えきった日に小学校の水泳大会があって、みんな唇を紫色にしながら震えていたものだ。
と、ついつい思い出モードに入ってしまったが、それにしても東京の暑さが異常なのか、私の体質が異常なのか、寝室にエアコンを設置しないのが悪いのか。
そういえば、お盆前のある日、栃木県の益子焼っぽいところまでロケハンに行ったのだが、当日はフェーン現象で昼間は地獄のような暑さだった。周囲は水田。天気は快晴。
ところが夕方になると、ヒグラシの声とともにさーっと空気の質が変わって、7時過ぎには昼間の暑さが嘘のように涼しくなった。遠くでカエルのゲコゲコ大合唱が聞こえる。
こうでなきゃ。これぞ夏。これなら、昼間暑くても許す。
しかし帰宅してみれば東京は暑い。人工的な不健康な暑さなのである。
ここでようやく気づいたのだが、私は夏が嫌いなのでなく、東京の夏が嫌いなのだ。あああ、早く秋が来ないかな。
私は秋が好きだ。
春も悪くはないが、春の次には夏が来ると法律で決まっているので、秋の方がイイ。
秋は色彩が美しい。空も山も彩度が上がる。おねいさんのファッションも色相に深みがでてくる。
鉄分多めの私としては、蒸気機関車の煙の出がよくなるという点も捨て難い(カマと外気との温度差が高いほど、黒く力強い煙が出るのだ)。
そして、おふとんをかけて寝られるのだ!
さらに言うなら私は冬も好きだ。
夏は脱いでも暑いが、冬は着込めば暖かい。この明快さがイイ。
そこで、冬の写真でも見ながら涼しさのイメトレでもしようと思い、昔(10〜15年前)の写真を眺めていると、この辺り(東京都世田谷区)もずいぶん変わったなあ、と思う。
東急世田谷線松陰神社前駅の踏切。車両は旧型車両の150形。独特のエンジン音がよかった。コート着てる女子高生も今ではover30ということになる。
豪徳寺の招き猫。青空との対比が冬だねー。晴れた日の彩度の高さがキリッとした空気を思い出させる。
お風呂場だった場所と思われる。住宅のほとんどがユニットバスとなってしまった現在、まさに遺跡だなあ、なんてことを思ってシャッターを切ったことを覚えている。たしか師走のことだった。
三軒茶屋のキャロットタワーから見下ろす東急世田谷線。この頃“新型車両”と呼ばれていた300形が雪の中を行く。雪の日は静かだ。そんなことを思い出すと、少しだけ涼しくなる。
上町の車両基地で旧型車両にお別れをした日。床が“木”で、網棚が“網”の、風情のある車両。保存してほしかったな。
山下駅。15年前まで柱と屋根が木造だった。ホームも低く、ローカルな雰囲気がよかった。電車を待ってるときの寒さを思い出す。
枯れ枝の向こうに青空。昔からこの対比が好きなようで、同じような写真が大量にあった。ひんやりした風と枯れ草のにおいを想像。
雪の日。この江戸時代からの古民家も昨年取り壊され巨大マンションに。
この日、弊社デザイナーの日暮くんは仕事をサボって雪だるまを作った。
あ、冬をイメージしていたら、なんだか落ち着いてきたぞ。
そんなわけでこの猛暑もあとわずか、なんとか乗り切って良い季節を迎えましょう!!
【さいとう・ひろし】saito@tongpoographics.jp
http://tongpoographics.jp/
1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。