グラフィック薄氷大魔王[504]「スキャン画像のカラーマネジメント」他、小ネタ集
── 吉井 宏 ──

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●スキャン作業の続き

先日書いた、スキャン済み表紙イラストファイルの整理、約600点のファイル名付けとサイズ揃え、ほぼ処理し終わった。(プラス、原画やポスターなどのポジをスキャンした巨大ファイルのJPG保存等も)

ただし、処理が終わったのは表紙のみ。中面イラストはスキャン済みが数GBと、未スキャンがクリアフォルダ11冊分w

本や雑誌などの発売日をファイル名の先頭につける作業に、もっと時間かかるかと思ったけど、発売日を調べるのに7netのネット本屋がめちゃくちゃ役に立った。

Amazonでも同様に調べられるんだけど、なぜか7netのほうが昔の本まで網羅してるっぽい。1990年6月の文庫表紙デビュー作までちゃんと出た。
http://7net.omni7.jp/top


これでまだ何が未スキャンなのかわかったし、TIFFやPSDからJPGにして10数GBの容量が減った。

あと、26年分の表紙イラストの歴史をざっと見渡すと、年表や地図を見るように今の自分の立ち位置がわかるのもおもしろい。どんな経路や段階があって今の状態に辿り着いてるか。納品したイラストの画像単体はJPGのアーカイブにしてあるのでいつでも見れるんだけど、刷り上がりで見るとどういう仕事だったのかわかるから。
http://www.yoshii.com/dgcr/20161223-bookcovers

やっぱ2Dイラストを復活させたいなあとか思ってしまう。2D時代は形とか自由だったなあと思うけど、今描くとやっぱ根気の勝負になって「あ〜めんどくさい!」とか思うんだろうなあw




●スキャン画像のカラーマネジメント

2004年頃にスキャンした表紙イラストが、どうにも色が変なものが多くて困ってた。蛍光色みたいに彩度の高い部分が浮いたり。

あ、そっか! と思いついてPhotoshopの「プロファイルの指定」でディスプレイプロファイルを指定したら、自然な色になった! 続いてAdobeRGBに戻せばOK。当時、カラマネがかなり適当だったのだった。

一時期カラマネに凝ったけど、2001年頃にPhotoshopなどで「プリプレス日本」と、カラマネなし画像の読み込み時に「ディスプレイプロファイルをAdobeRGBに変換」を使うようになって以降はずいぶんラクになったのだった。

●紙は劣化する

同じく、2004年頃にスキャンした雑誌表紙をいくつかスキャンし直したんだけど……。当たり前だけど、12年も経つと紙ってめちゃくちゃ黄ばむ! 周囲から黄色というか茶色っぽくなってて、中央部がキレイなまま。

新品に近い当時のスキャン画像と較べると、明らかに黄ばんでる。単に黄ばんでるだけなら補正も効くけど、周囲と中央で色が違ってるからやっかい。

そういえば、実家に残してあった70年代の紙質の悪い雑誌をScanSnapしようとしたら、黄ばんでるどころじゃなく、紙のフチが劣化して手で触ると崩れた。ScanSnapするとボロボロと粉になる。80年代後期に買った文庫本も似たような状態で、中は真っ茶色。

そのうちスキャンしようと思ってても、紙の印刷物はどんどん劣化する。スキャンはお早めに!


■連載 Cintiq 27 QHD その2

○二つの机を何度も往復

メインに使っている木の机と、プリンターやスキャナ置き場として使っている小振りなサブのスチール机。どちらに置くか。最初はスチール机に設置。傾斜もつけられ、ドラフターデスク的に使えるもの。

よく考えたら、重くて場所を取るスタンドを買わずに、この机にCintiq 27を固定する手もあったな。傾斜が自由自在なんだから。とりあえず、平らにしてスタンドを置いた。使い勝手は悪くない。

狭い部屋に、二つの机に27インチシネマディスプレイとCintiq 27。シネマディスプレイで作業していて、液タブを使うときだけCintiq 27に移動。データはDropboxで同期されるけど、アプリを起動してファイルを開くのがちょっと面倒。

それで、一台のMacBook Proに両ディスプレイを接続してみた。ミニディスプレイポート→シネマディスプレイ。HDMIポート→Cintiq 27。普段はシネマディスプレイで作業し、必要なときにCintiqの電源を入れる感じ。

このほうがスムーズに仕事できるのは当然だけど、2台の大きなディスプレイが部屋に鎮座してるのは同じ。そもそも7年も使ってるシネマディスプレイをCintiq 27に置き換えれば、メインディスプレイ兼液晶タブレットとして使えるのが購入動機の一つだったのだが。

そうすべく、メイン机にCintiq 27を移動。シネマディスプレイは外して片づけた。黒くてゴツいスタンド付きCintiq 27をどーんと載せると、せっかくの「MacBook Pro専用」を謳ったかっこいい木製デスク(特注で長くした上に、シネマディスプレイを載せてもビクともしないよう金属の筋交いを付けてもらったもの)が台無しw
http://www.yoshii.com/dgcr/Cintiq27-desk

立てて通常のディスプレイとして使うときは、板タブのintuos 5 Lを使う。必要な時だけ、角度を変えて液タブとして使う。シンプルで良いはずなのだが、当初は不慣れなせいか、しっくり来なかった。

それでまたサブデスクに移動、2ディスプレイ体勢が面倒で再び木製デスクに移動、を何度も繰りかえすのだった。32kgのCintiq 27を机から机へ移動するのは腰に悪いw (つづく)


【吉井 宏/イラストレーター】
HP  http://www.yoshii.com

Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/


知らんかった。Evernoteで文字数カウントってできるんじゃん! 「ノート情報」の「i」アイコンをクリックすれば下に表示されてる。なんだ、じゃあ、デジクリ原稿はJeditでなくてもEvernoteで直接書けるや。プレーンテキストのモードがあれば最強なんだけどなあ(「スタイルを削除する」で基本フォントにはできるけど)。

・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/


・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500


・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii


・rinkakの3Dプリント作品ショップ
https://www.rinkak.com/jp/shop/hiroshiyoshii