《小学生の頃よりも待ちどおしい夏休み》
■グラフィック薄氷大魔王[620]
キャラの展示をマカオに見に行った
吉井 宏
■ネタを訪ねて三万歩[172]
わたしのクローンが欲しい
海津ヨシノリ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■グラフィック薄氷大魔王[620]
キャラの展示をマカオに見に行った
吉井 宏
https://bn.dgcr.com/archives/20190731110200.html
───────────────────────────────────
2015年、マカオにオープンしたド派手で最新のエンタテインメント・リゾート・ホテル、Studio City Macau。そのエントランスホールのデコレーションに、僕のTDWキャラクターがたくさん使われまして。
https://studiocity-macau.com
Studio Cityの今年後半のテーマが「Go ANIME」で、全館でアニメやマンガなどをテーマにしたディスプレイやインスタレーションなどが展示されてます。僕のキャラのデコレーションもその一環で、香港のデザイン会社からの依頼。オープンに合わせて見に行ってきました。
下記のページに僕の名前は出てますが、写真もまだ何も出てないです。
https://studiocity-macau.com/en/promotions/go-anime
巨大な壺の形をした、二本の柱の間のスペース(通り抜けると広大なカジノ)。幅7m、9m、7mの3つの「島」に、高さ1.5m〜2mのFRP人形が計14個配置され、夏のリゾートを表現(キャラ以外のデザインに僕は関わってないです)。
パノラマ
正面
右の島
左の島
記念撮影
これらのFRP人形、よく出来てる! 実はスケジュール的にどう考えても、オープン予定日に間に合いそうになく心配だったのだが、余裕で完成。
中国の巨大工房で一気に作ったそう。14体と他の制作物は3Dデータからの発泡スチロール削り出し、表面仕上げや塗装はもちろん手作業。
細部まで完成度が高い!
家族連れやカップルのお客さんたちが、ひっきりなしにキャラといっしょに写真撮っててうれしくなった。作者のプロフィール紹介などのパネルが、未完成だったのだけ残念。今年いっぱい展示される見込み(不確定)。
二泊三日とはいえ、マカオ直通便の行き帰りに一日ずつ使ったため、滞在は実質的に一日のみ。到着時点ですでにヘロヘロ。
その貴重な一日も、昼前に起きてデコレーションの写真撮影。その後ホテル内(めちゃくちゃ広い)を急ぎ足で見て回り、ランチして部屋に帰ってバタンキュー。
夕方から向こうのスタッフたち+僕の在米エージェント代表と会食。20時すぎには離脱して、再びバタンキュー。翌朝、目が覚めたら帰る準備w
Studio Cityのシンボルの8の字型の観覧車も乗れなかったけど、ショッピングモールや娯楽施設が満載なのはわかった。名物のエッグタルトは食べれたよw
【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/
・「全館でアニメやマンガなどをテーマにした展示」は、「Go ANIME」とは関係なく元々エンタテインメントホテルなので、「常設の展示」か「テーマに沿った展示」か区別がつかなくて不明。
・デコレーションの場所にいられたのは計2時間くらいなのに、SNS他にアップするための写真を選ぶのに丸一日w
・2015年にも香港でTDWキャラクリスマスデコレーションをやった。こちらは腰が重くて見に行かず後悔。
https://bit.ly/2OsjtvU
・マカオは37年前のデザイン学校時代に、香港研修旅行(?)のおまけツアーで行ったことがあり、カジノにも入った。スロットマシーンでコインが洗面器大の容器いっぱいになるほど勝ったのに、そのまま全部スったのでしたw
○吉井宏デザインのスワロフスキー、7月半ばに出た新製品4つ。
・幸運の象 LUCKY ELEPHANTS
https://bit.ly/30RQrqV
・HOOT HAPPY HALLOWEEN 2019年度限定生産品
https://bit.ly/2JZVVcm
・SCS ペンギンの赤ちゃん PICCO
https://bit.ly/2JStbC4
・SCS ペンギンのおばあちゃん
https://bit.ly/2YbmnJ7
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ネタを訪ねて三万歩[172]
わたしのクローンが欲しい
海津ヨシノリ
https://bn.dgcr.com/archives/20190731110100.html
───────────────────────────────────
いよいよ夏休みです。もっとも自主トレのような宿題があるので、リラックスは出来ないのですが(それについては後述します)、夏休みに入る前に最大のラスボスが控えています。春学期の採点です。
想像しただけでも、脳内が沸騰しまくってしまいます。とにかく、課題を出していない学生に対して、問い合わせをしてもリアクションがなかったりすると本当に困ります。
たとえば、病気などの事情があって提出できないかもしれない、などと深読みしてしまうからです。かくして、成績確定のデッドラインとの駆け引きが続くわけですが、だいたいどの大学も、そのデッドラインが似たような日程なので、本当に胃が痛いです。
更に、一部の大学では履修リストと出席リストで、学生の順番が異なっていたりする“トラップ”が仕掛けられているので、大パニックなのです。速やかに統一して欲しいものです。
「履修リスト」で、日々のミニテストや課題の結果などを記述しているわけですから、「出席リスト」が異なった順番だと、照らし合わせるのも一苦労です。
わざわざ採点ミスをさせているとしか思えません。いい加減にして欲しいですね。成績確定は勘違いでは済まされませんからね。多分、担当者が意味プーで処理しているのでしょう。極端にITスキルの低い人が多いのです。
例えば「家でネット回線の工事をするので、今週はメール使えません」って真顔で言う先生がいて、唖然とする私。スマートフォン持っていないのかな? いや、ネット回線工事って1週間も掛からないでしょ?
きっと非常勤の私とは違い、様々なツールを酷使するような壮大なシステムを利用しているのかな(棒読み)。
さて、PCで色々なツールを使い続けていると、当然ながら勘違いと思い込みのスパイラルに陥ってしまうことがありますね。
最近ではSVGとPNG形式の大混乱事件(誇張表現)に遭遇しました。いえ、完全に私のミスなのですが、気がつくのにかなりの時間を必要としました。ZBrushに読み込ませるためのSVG、PowerPointに読み込ませるためのPNGを、なぜか逆に処理してドロ沼へ。
ZBrushでも画像データはPNGもOKなわけで、それも勘違いに一役買っています。まっ、要するに私が間抜けなのですが……もちろん、気がつけば笑い話のネタにもならない話なのですが、授業やセミナーだと洒落にならないですからね。
ま、ソフトウェアの勘違いであれば、少しはシャレになるかもしれませんが、DIYや写真撮影なども混ざってしまうと、思い出すのにかなりの時間を必要としてしまいます。
しかしながら、この勘違いが大切なのです。それは「どうして出来なくなってしまったのだろう」という視点が生まれるからです。思いもつかない状況下を、自分に与えることの意義は絶大です。不自由と効率化が新しい考え方や技を生み出すからです。
新バージョンや新製品を待つのではなく、自分で生み出すのです。もちろん、新製品を否定しているわけではありません。でも、それだけを追い求めている人と話をするのは、正直に言うと勘弁かな……。
そういった気遣いは、年々面倒臭くなってきています。面倒なことに時間を使いたくないという思いが、最近は半端ないです。
かつて先輩にIllustratorが大好きな方がいて、日々練習に励んでいたのですが、アップデートの都度「新機能はいいからバグを直して」と激怒していたのを思い出しました。
まっ、私に言われてもどうしようもないのですが、気持ちは痛いほど理解できました。新バージョンは色々な意味で楽しみではありますが、直ぐに仕事で使う気になれないのは、今も昔もお約束の定番処理ですね。
とにかく、やりたいことが日増しに膨れ上がっていて、クローンが欲しいくらいです。
だから夏休みがとても楽しみです。おそらく小学生の頃よりも待ちどおしいと感じていますね。もちろん、引きこもっての実験君です。怪しいメモが溜まっているのです。私は工業高校で化学工学を専攻していたからか、実験が今でも大好きなのです。
ところで、話の大脱線ですが、実験で思い出しました。私は今現在、Macでの日本語入力は従来どおりの「かな変換」ですが、Windows環境やiPadでは「ローマ字変換」で作業をしています。
さらに、大学ではWindows環境で「ローマ字変換」というのも影響しているかも知れません。最近になって、また何度目かの「ローマ字変換」への切り替えの誘惑が始まってきました。
もちろん完全にスピードが違うのですが、誤変換の確率は激減するので、通しで考えたら五分五分かもしれないと気が付きました。なにより、今年に入ってからセミナー用のマシンはWindowsノートなので、余計に「ローマ字変換」の頻度が増しています。
■今月のお気に入りミュージックと映画
《"Combat! / Cry for Help" in 1966(US)》
邦題「コンバット!/助けを呼ぶ声」。初めてみた時の感動を今も覚えています。ドイツの衛生兵ペーター・ハルスマンに扮した、ロバート・デュバルがゲストスターではなくて主役のようでした。
コンラン・カーター演じるカーター衛生兵との対比のように見えて、実はジャック・ホーガン演じるカービー二等兵が、ドイツ兵に対しての不信感を露わにしていたのに……ラストで、そしてあのエンディング曲が流れてきた時は、本当に感動しました。
作品そのものも永遠の名作ですけれど、この作品は私の中でベスト10に入ります。ちなみに、ロバート・デュバルは同じ「コンバット!」の「静かなる戦い」でもドイツ兵を演じています。
また「さらば戦場」ではレジスタンス(米軍の脱走兵)も演じており、3回ものゲスト出演は珍しいと思います。とにかく名優ですからね。2012年に公開されたトム・クルーズ主演のアウトロー(原題:Jack Reacher)では当時81歳にもかかわらず、後半は大活躍でしたね。存在感が半端ないです。
コンバット COMBAT! 第141話「助けを呼ぶ声」
コンバット COMBAT! 第083話「静かなる戦い」
コンバット COMBAT! 第152話「さらば戦場」
"Diamonds Are Forever - Main Theme" by Shirley Bassey at 1971(U.K)
シャーリー・バッシーによる2度目の007シリーズの主題歌。主演はショーン・コネリーですが、1967年公開の日本を舞台にした「007は二度死ぬ」を最後にボンド役がジョージ・レーゼンビーに変更になりました。
ところが、この作品でショーン・コネリーのボンドが復活しています。でも、4年ぶりにしては老け過ぎちゃった感が強かったですね。しかも、更に12年後に「ネバーセイ・ネバーアゲイン」で再びボンドに復帰しているのは、それだけイメージが強かったからでしょうね。
さて、シャーリー・バッシーは「007 ゴールドフィンガー」(1964年)、「007 ムーンレイカー」(1979年)でもメインテーマを担当しています。
ちなみに、「007 サンダーボール作戦(1965年)」でも当初は担当予定だったようですが、トム・ジョーンズに変更されています。振り返ってみると、ショーン・コネリー時代のテーマ曲のインパクトはやはり半端ないですね。
Diamonds Are Forever Theme Song - James Bond
【海津ヨシノリ】
グラフィックデザイナー/イラストレーター/写真家/お菓子研究家
yoshinori@kaizu.com
http://www.kaizu.com
http://kaizu-blog.blogspot.com
https://www.facebook.com/yoshinori.kaizu
https://twitter.com/Yoshinori_Kaizu
いつのまにか毎年の恒例行事となっている、大阪でのセミナーも無事に終わりました。今回はブームとなった、ガチャガチャのダンゴムシやザクヘッドを頂くなど、多くの方にお気遣い頂くとともに、とても有意義な時間を過ごす事ができました。
参加していただいた皆さんに大感謝です。本当に有り難うございました。また来年も声を掛けていただけるよう、精進したいと思います。
実はこの原稿の大部分は、新幹線の中で初代iPadを使って書いていました。セミナー用に持参したノートPCでも良かったのですが、やはり気分転換って大切ですからね。もちろん、気分転換ばかりじゃ洒落になりませんが……。
■8月の画像処理セッションは8月15日を予定しています。
海津ヨシノリの画像処理テクニック講座 vol.135
〜Illustratorの活用
Photoshopとの連携〜
参加は無料で、どなたでも参加できます。詳しくは以下のサイトでご確認下さい。
https://www.borndigital.co.jp/seminar/15002.html
◎講演内容
Illustratorが得意な処理、Photoshopが得意な処理と、双方の特徴を生かしたデータ作りとして、IllustratorとPhotoshopとの連携処理を中心に整理します。
・無理にIllustratorを使わない ・解像度の迷信を払拭 ・マスターファイルの画像サイズ ・交換用スウォッチファイル
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記(07/31)
●偏屈BOOK案内:中川 越「すごい言い訳! 二股疑惑をかけられた龍之介。税をごまかそうとした漱石」2019 新潮社
白地に黒のタイトルとヘタなイラスト(漱石がモデルか)で地味というか、手抜きというか、ナントモな表紙。「言い訳」とはなにか。言い逃れ、弁解、釈明である。「よろしくない事態や非難されるべき原因を作った張本人の立場から逃れるための説明」である。一般にいじましい行為とされるが、つい最近、わたしもデジクリでそれに類したことをしたような気がする。てへっ。
言い訳は言い方次第で、味わい深いものに変化する。その実例を文豪たちに求めたもので、奇想天外、痛快無比、空前絶後のすごい言い訳を紹介している。苦境で発する言葉が言い訳である。切羽詰まると人は思わず素の姿を見せる。筆者は既成のイメージとは異なる、新鮮な文豪たちに出会いに興奮したという。
タイトルにある「二股疑惑をかけられた龍之介」とはこういう話。大正5年に漱石が亡くなり、翌年頃から長女の筆子18歳の結婚話が噂になる。漱石門下生で花婿候補ナンバーワンは芥川龍之介だったが、彼にはフィアンセがいた。彼女・塚本文は龍之介と筆子の噂をきいて不安になり、芥川に手紙を送る。
その返事で、「夏目さんの方は向こうでこっちを何とも思っていない如くこっちも向こうを何とも思っていません」と釈明した。さらに神に誓ったり、命がけの覚悟を表明したりして、全力で疑惑の払拭に努めた。そのいささか不様な手紙が、後の時代に公開されちゃうんだから文豪も大変である。「現行一致の美名を得る為にはまず自己弁護に長じなければならない」と「侏儒の言葉」にある。
「税をごまかそうとした漱石」とは、高額所得者でありながら節税を企み、ずっと正直にやって来たんだからとヘリクツをいい、しばらくズルしても帳消しだろうと、偉そうな自己弁護と、言い訳に走る漱石を描いている。彼は返済計画と完済期限を勝手に決めた、偉そうな債務者でもあった。田村俊子からの不当な苦情に対して、巧みに猛烈な反駁を盛り込んだ手紙の鮮やかなこと!
「下心アリアリのデートの誘いをスマートに断った言い訳の巨匠」とは樋口一葉。22歳の才女は30歳の詐欺師の俗欲を、美しい雅文の言い訳で手玉にとり金を巻き上げた。筆者は「言い訳を学ぶつもりと書きましたが、この剛胆さと破格の表現力を備えた才女から私たちが学べるものはわずかです。言い訳を趣深く伝えると、大きな説得力が生まれるという事だけは分かりました」と降参。
言い訳とは自己弁護であり、その説得力が小さければ、言い逃れ、逃げ口上と思われ、説得力が大きくなれば、弁解、釈明、説明と思われる。芥川龍之介は「侏儒の言葉」で「言行一致の美名を得る為にはまず自己弁護に長じなければならぬ」と書く。言い訳がうまくなる必要がある。夫婦げんかで切実に思う。
二心を隠して夫に潔白を証明しようとした恋のモンスター・林芙美子 相手の不安を小さくするキーワードを使って前借りを頼んだ・太宰治 先輩に面会を願うために自殺まで仄めかした物騒な・小林秀雄 親バカな招待状を親バカを自覚して書いた・福澤諭吉……などなど面白多数。全7章63件、夏目漱石はまるまる1章9件と最多。言い訳の巨匠である。(柴田)
中川 越「すごい言い訳! 二股疑惑をかけられた龍之介。税をごまかそうとした漱石」2019 新潮社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103524413/dgcrcom-22/
●可愛い!! 日本でもこういうスポットがあればいいのに〜。撮影しまくるくる。/一週間の空白期間が? 回線乗り換えなのかなぁ。
/コストコ続き。先に体験した友人から、キャリーバッグを持っていくこと、現金を多めに用意しておくこと、油断すると買いすぎるので気をつけることなどを言い含められた。ベテランからは、オススメ商品を教わる。
安くないと思う商品は、容量の確認をすること、とも。ドレッシングのように、元の容量を覚えてなかったら意味ないんだけど。
「キッチン泡ハイター」台所用漂白剤。これがないと困る。寝る前にまな板や排水溝にスプレーしておくと、翌朝ピカピカ。においはプール。
ベテランは、トイレや洗面、バスルームの掃除にも使うと聞いた。洗面などは固形の「洗浄丸」やその類似品を使っていたがスプレーするだけなら楽だなぁ。
近所では400ミリリットルのものが、税込214円。コストコではひと回り大きいのが3本セットで1,268円、クーポンが自動適用されて1,008円、1本336円。全然安くないじゃないかと思いきや、1リットルだった。2.5倍。(hammer.mule)
キッチン泡ハイター
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B002D15NX8/dgcrcom-22/
かんたん洗浄丸
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B007H3CVU0/dgcrcom-22/