こんにちは、若林です。
夏休みを挟んでほぼ一か月ぶりとなりました。梅雨の間の涼しさから一転、本格的な夏に入ってからは暑い日が続いていて大変ですね。
今年もゲリラ豪雨による浸水が起こっていますが、それでも地震、台風、大雨と災害続きだった昨年に比べると、今年はまだマシだなと思います。
まだまだ台風の季節は続きますから気は抜けませんが、このまま大きな被害の出ないまま夏が終わってくれることを願うばかりです。
◎防災機能付き公園
というわけで今回は防災がテーマですが、ちょっとふるさと自慢入ります。
私の出身地である守口市に帰ったところ、災害に備える、災害の被害を少なくするという意味の防災において、とても進んだ取り組みが行われているのに感心しました。
私が通った小学校の近くにある公園がリニューアルされ、防災機能を備えつつ、子どもから大人まで楽しめる公園に変わっていたのです。
この公園は道路を挟んでふたつに分かれていて、リニューアル前は一方に野球場、もう一方に赤土のテニスコートがあり、それ以外の部分には遊具があったり、野球ができるほどの広さの広場がありました。
これだけでもかなり充実している方だと思うのですが、リニューアル後は野球場がサッカーもできる多目的球技場になり、テニスコートは屋内と屋外の2種類になり、今までなかった相撲の土俵までできていました。
小さな子どもたちが遊ぶエリアの遊具は、大人でも滑ってみたくなるような大きな滑り台に、水遊びができるエリアもあるほどにグレードアップしています。
大枝公園
https://www.oeda-park.jp/
これだけなら「子育て世代を取り込むための施策を頑張ってるな〜」で終わるところなのですが、すごいのはこれらの施設が災害時には防災機能を発揮するというところ。
テニスコートは支援物資の保管場所、多目的球場は避難場所やヘリポート、芝生エリアは自衛隊の宿営地機能が設定されています。
ベンチはコンロに変わり、テントをかけるだけで災害時の拠点になる休憩場所などもあります。地下には貯水タンクがあり、もちろん公園内の自動販売機は災害対策用のものが設置されています。
大枝公園の防災機能
https://www.oeda-park.jp/disaster/
ちょっと感動してしまいました。日常で使える公園に、こんなに防災機能を仕込んでいるなんて。しかも、私が行った時には多くの家族づれが公園で遊んでいて、当たり前ですけど公園としてもとても活用されてるのです。
「あぁ、街をデザインするってこういうことなんだな」と、とても腑に落ちた瞬間でした。こういう取り組みはきっと他の自治体でも行われていて、私が知らなかっただけだと思うのですが、ぜひ広まって欲しいなと思います。
すごいぞ、守口市。わが町として誇りに思います。
◎街に食事を届ける仕組み
もうひとつ、防災とは直接関係ないのですが、私の友人が取り組んでいるこんなサービスを知りました。
TLUNCH〈トランチ〉日本最大級のフードトラック・プラットフォーム
https://www.mellow.jp/tlunch
フードトラック(平たく言うと屋台ですね)と都会の空き地をつないで、街の人たちに美味しい食事を届ける仕組みです。
これは日常生活で利用するサービスですが、これが広がっていくと災害時の活用も考えられ、災害に強い社会をつくるためのインフラになるんじゃないかなって一目みて思いました。
災害時用の食事といえばカンパンがすぐに思い浮かびますが、今は非常食のバリエーションも増えそれなりに美味しくなっています。それでもやっぱり、日常の食事からすると、レベルは下がってしまうと思うのです。
そこで、フードトラックみたいな形態のお店が増え、災害発生時の支援ができたらいいと思いませんか?(もちろん、そこにかかるコストをどうやって捻出するかは考えなければいけません)
災害時って、ただでさえ精神的にまいってるし、落ち込んでるし疲れています。そんな時でも、美味しいものが食べられるというのはとても元気づけられる。そんな仕組みになります。
それに災害時だけじゃなく、孤食、フードロスの低減、高齢化に伴って発生する色んな問題にも対応できるかもしれない。そんな可能性を感じました。
◎災害に強い社会とは
私も豪雨災害の復旧支援に参加したことがありますが、支援の現場ってとても混乱しています。
災害が発生するとボランティアセンターが立ち上がり、各地から復旧支援に集まったボランティアの現場への振り分けが行われますが、必ずしも適切な振り分けが行われているわけではありません。
被災地の状況と必要な支援、支援できる人のスキル、これらをすべて完ぺきに把握できているわけではないので、どうしてもミスマッチやロスが発生しています。
私が参加した災害現場以外でも、同じような状況が起こっていると聞いた時に「災害時に使えるITを活用した仕組みができないものか」と考えたのですが、どう考えても「災害時に運用できるか?」というところがネックになります。
いざ災害発生時に使おうとした時に、学習コストが高いと迅速さが求められる災害現場では使えないのです。災害に強い社会を作るには、災害時と平常時を分けて考えるのではなく、平常時と災害時が同じ直線上にあることが重要ということですね。
災害の専門家のみなさんは、そんなことを当たり前と考えておられると思いますが、一般人にはなかなかそこまで考えがびません。
災害時に使う設備や備品があっても、いざという時には使えない。日常の生活の中に見えていて、それらが災害時にも機能することを知っていることで、緊急時にもすぐに活用できるようになる、そんな社会設計を私たちもしていきたいものです。
【若林健一 / kwaka1208】
https://croads.jp/aboutme/
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