こんにちは、若林です。
今回も「新型コロナウイルスが変える社会」について「食」をテーマに自分の考えを述べていきたいと思います。過去2回の記事については、こちらをご覧ください。
新型コロナウイルスが変える社会
https://bn.dgcr.com/archives/20200519110100.html
新型コロナウイルスが変える社会・衣
https://bn.dgcr.com/archives/20200602110100.html
■「食」に関する短期の変化
直近のできごととして、「飲食業の廃業」があるのはご承知の通りかと思います。先日も「づぼらや」という、安くふぐが食べられる古いお店の閉店が報じられ、関西では大きな話題になっています。
それ以外にも小さな個人店で閉店、廃業を決断されたケースをいくつか耳にしています。家賃収入の負担が大きく、廃業を考えているという店主の声がニュース報じられたりしていますが、実際のところ家賃負担を理由に廃業されたお店はどれだけあったか不明です。
大家さんとしても、家賃が払えない借主を追い出したからといっても、すぐに次の借り手が見つかるわけでもないので、お店と一緒に今の状況をどうやって乗り越えるか? という考え方であるべきだと思います。
実際のところもそのような形で、大家と店子が一緒にこの状況を乗り越えようとしているところも多いのではないでしょうか。
確かに今は飲食業には辛い状況で、人が集まるところで食事をする習慣がすぐには戻らないかもしれません。とはいえ、この状況が未来永劫続くとも思えない。この自粛期間でさえストレスを感じていた私たちですから、「外で美味しいものを食べる」「みんなでご飯を食べる」ということを、みんながやめてしまうことはないでしょう。
外食が避けられる今この状況は、おそらく短期(1年ぐらい)で終わると思います。
しかし、自分の好きなレストラン、思い出のお店がなくなっていく状況がとても辛い。飲食業のみなさんにはなんとか今の状況を乗り切っていただきたい、またそんな飲食業を支える支援を、官民でやっていかなければならないと思います。
■「食」に関する長期の変化
外食が減った一方で、家で食べる、家で作ることが多くなりました、これはとてもいいことだなと思います。子どもと一緒に作れるということもあって、パンケーキやお菓子などを作るようになったご家庭も多かったようですね。
自粛期間と同じようにとまではいかないものの、「自分で作って食べる」ということが選択肢になったとは思いますので、これはきっと長期的に続くでしょう。今まで以上に「家で作る」ことは増えると思います。
また、リモートワークなどの影響もあり、自粛期間は家族で一緒にご飯を食べる機会が増えました。自粛期間がおわって、また元の生活という方も多いでしょうけれど、この間に感じた「家族でご飯を食べることの良さ」は再確認しました。
「働」のところでも触れようかと思っていますが、これをきっかけに自分の働き方を考え直す機会にもなったと思います。
「家で作る」「家で食べる」習慣は、長期的に増えると思いますし、ぜひそうなって欲しいところです。「家で食べる」ことが増えれば、必然的に「外で食べる」が減るわけですが、短期のところでは「それはなくならない」と書きました、矛盾してますね。
「ハレの日」に行く高級なお店、小さくても良いお店は残るでしょうけれど、特徴の少ないチェーン店のようなところが、影響をうけるのではないかと思います。
「家で食べる」「特別な日に高級なお店で食べる」「小さくても良いお店で食べる」というように、価値の高い「食」に時間とお金が費やされた結果、どこにでもある「チェーン店」のニーズが小さくなり、店舗数の減少が起こると考えています。
今も売り上げ減少の影響で、不採算店の撤退がいくつかニュースになっていますが、これは長期的で広範囲に起こるというのが私の考えです。
「食」においても、より本質的な価値を求める方向に人が動くのではないでしょうか。
【若林健一 / kwaka1208】
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