わが逃走[267]ヒトとの接触を避けつつ近所を歩くの巻 その3
── 齋藤 浩 ──

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この4連休、go toトラベルはさすがに気がひける。しかし、どこにも行かないというのもねえ。

たとえば愛車のバッテリーがあがってしまうなどと言い訳を考えつつ、日帰りのドライブくらいならと軽い気持ちで出かけてみたら、大渋滞に巻き込まれました。考えることは皆同じなのであろうか。

日本中、どこもかしこも通常のお盆休み以上の混みっぷりだったらしい。まあ、この日のことは後日まとめるとして、今回もご近所散歩について書こうと思う。

ようやく(数値的には)涼しくなってきたとはいえ、まだまだ(体感的には)暑いし日差しも強い。

強い日差しが水面に反射すると、周囲の天井や壁面に不思議なパターンを投影したりして、その偶然のゆらめきが妙に幾何学的に見えて、ドキッとすることがある。

私の住む集合住宅の中庭には、ビオトープという名のただの池があるのだが、それをまたぐ二階廊下に映し出された不思議パターンがこちら。

ごく初期のCGというか、タイムボカン的というか、しばらくぼーっと見物していたのであった。

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さて、クソ暑い日に銀行に向かって歩いていると、世田谷通りで好ましい枠を発見。ちょっと傾いだ具合といい、底辺の微妙な歪みといい、なかなかの風情を感じる。「無」のトマソンに属するものだと思う。

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昭和な壁鑑賞会1。
鳥居マークの意味を知る者も高齢化している。三軒茶屋「三角地帯」にて。21世紀になって20年経過しても、いまだこういう写真が撮れるのは嬉しい。

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昭和な壁鑑賞会2。
作った本人は気づいてないと思うが、点と線と面の構成が実に彫刻的。こういう「無作為の美」は、気づいたときに記録しておかないとすぐ「現存せず」になってしまう。

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以前から気になる一角。Googleマップで確認したところ、六叉路だった。ずっと五叉路だと思っていた。こんど行ったら再度確認する所存。

道路の舗装法やペイントなど、とくに鋭角に交わる部分が現代的にバージョンアップされている印象。

また、ご近所全体に同様な物件が増えているように思う。

法律や条例の変更や、土地所有者の代替わりなど要因はいろいろあるのだろうが、今後鋭角な交差点を見たら、写真に記録するよう心がけようと思う。

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【さいとう・ひろし】
saito@tongpoographics.jp
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1969年生まれ。小学生のときYMOの音楽に衝撃をうけ、音楽で彼らを超えられないと悟り、デザイナーをめざす。1999年tong-poo graphics設立。グラフィックデザイナーとして、地道に仕事を続けています。