グラフィック薄氷大魔王[676]18年ぶりのビデオテープのデジタル化 その1
── 吉井 宏 ──

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ビデオデッキとパソコンを接続して、ビデオテープのデジタル化。2002年にしばらく集中的にやったのだが、途中で力尽きたというか、飽きてしまった。

今年の初めに「棚の最上段にそびえ立つDVD-Rの山。HDDにコピー→50GBや100GBなどの大容量ブルーレイに焼いてしまえば、まとめて処分できる!」と思いつき、「ついでにビデオテープも片付けちゃおう!」とビデオキャプチャーケーブルも新調してたのに、すっかり後回しに。

9月半ばにふと思い出して、ビデオデッキを仕事部屋に運び込んだ。約一か月かかってだいたい作業終了。楽しかったw その記録や所感・雑感をランダムに書きます。





●録画はムダ

以前の2回の引越しの際、ケーブル接続が面倒で、ビデオを接続しないまま12年くらい経ち、その間に地デジ化され、内蔵チューナーが役に立たなくなった。「見逃し」的には今はもうTVerやNHKオンデマンドなどあるし、話題の映像はたいていネットを探すと見つかるし。

まあ、「録画すると安心してしまって見ない」は、初めてビデオデッキを買った当時から分かってたし、「見ないんだったら、録画自体がムダ」って悟っちゃったのが大きい。

●8mmビデオ

テレビ台の下にしまってあったのは、8mmビデオが約150本、VHSが20本ほど。数十本くらいの「どうでもいいテープ」は、前回の整理のときに捨てたはず。もっと以前、かさばるVHSはミュージックビデオなどの市販品も含め、8mmビデオにダビングして処分。
http://www.yoshii.com/dgcr/videotapes-IMG_2743

なぜメインの録画媒体が8mmビデオだったかというと、VHSは場所をとるから。1990年に上京してきて狭いワンルームに住み始めた頃、8mmビデオデッキを買った。

それが割とすぐ壊れた。長時間の一時停止をするとヘッドが傷むそう。イラストの資料として見るため、やたら止めてたから。修理後しばらく使った。

95年頃に8mmとVHSのダブルデッキに買い換えた。この機種↓
https://jarmanlab.bbk.ac.uk/auc-iris/20279yxtgwv-bw1-5.htm


少なくとも12年くらいは放置してあったので、ちゃんと動くとは思わなかった。キャプチャーケーブルをMacに接続すると、動く! イジェクトの動作がちょっと怪しいくらいで、しばらくは使えそう。

●リモコンとGコード

作業後半、リモコンが効かなくなった。単三電池を入れ替えてもダメなので、たぶんボタン電池が切れたんだろう。わざわざ買いに行かなくても、本体で操作できるから放置。

でっかいリモコンの裏蓋をあけるとGコード予約のボタンがついてた。

http://www.yoshii.com/dgcr/Gcode_IMG_2837

新聞の番組欄にも記載されてたGコード、いつなくなったのかと思ったら、やはり2011年7月の地デジ化とともにほぼ終了。最後までGコードが掲載されていた「Yahoo!テレビ」でも2013年に終了したらしい。意外と最近まであったのね。

新聞をとらなくなったのはいつだっけ? 15年くらい経つかな? 番組表を見ないから、テレビ番組に興味を持ちようがないってのは、テレビ離れの一因なのかも。

●テープの内容とYouTubeにある録画

8mmビデオに録画してたのは、1991年〜1998年までくらい。数が多いのは「パペポTV」と「北野ファンクラブ」の録画。「パペポ」は割と特別でずっと興味を失わなかったけど、録音録画してた番組って、興味を失っても惰性で録り続けてることが多かったかも。

YouTubeなど探すと、どちらもかなりの本数がアップされてる。ネットにあるんだったら、もういいや。デジタル化せずに捨てちゃおうかな。しかし、YouTubeのはかなりいい加減で、放送日もあいまい。

そのまま捨てちゃうにはちょっと惜しいかな。それほど熱心に録画したわけでもなかった「北野ファンクラブ」は捨て、「パペポTV」は2002年にデジタル化しなかった分のみ作業することに。

その他、「ウゴウゴルーガ」や「お笑いウルトラクイズ」なども、いくつか残して捨てた。YouTubeに上がってなくても、日本全国に録画してた人は何万人単位でいるだろうし。

考えてみると、2002年のデジタル化作業の際は、たった数年前の放送の録画だったんだ。2020年から見ると20数年前の歴史的録画! 番組の内容よりも、CMやイベントなどの告知のほうが興味深い。

「具が大きい」とか出てきてびっくりするw 初期のユニクロのCMとか。VHSの録画を8mmビデオにダビングする過程で、CMをカットしちゃったのはもったいなかった。

●単純作業と集中力

カセットテープやレコードのデジタル化を経て、特に大切なもの以外のデジタル化保存は、あまり意味のないことだとわかってる。がんばってデジタル化しても、ほとんど聴き直さないし。気にせずエイヤッと全部捨てるのも、気持ち良さそう。

ただ、内容以外で大きなメリットがある。CDのリッピングやレコードのデジタル化など、「ちょっとだけ注意や手間が必要な延々続く作業」は僕にとって重要。

なにしろ、その作業を片手間にやりながら仕事すると、とんでもなく捗るのだ。たぶん、集中力が続かなかったり注意散漫になるのを、そういった作業が仕事につなぎとめてくれるんだろう。

集中したかったら、そういう「片手間要注意作業」をわざと探すのもアリ。

ビデオ作業はもう終わっちゃったけど、まだこれからDVD-RからHDDにコピーしたアーカイブファイルを、BD-Rに焼く作業などたくさんある。時間かかるだろうな。楽しみw


【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com

http://yoshii-blog.blogspot.com/


前回2002年のビデオテープデジタル化が、「YouTubeが正式にサービスを始める3年前」ってすごくない? テレビ録画含めてあらゆる映像が、ネットで見れる時代が来るなんて思わなかったなあ。

○吉井宏デザインのスワロフスキー

・十二支(丑年)OX
https://bit.ly/37gbNEN


・三猿 Three Wise Monkeys
https://bit.ly/2LYOX8X


・幸運の象 LUCKY ELEPHANTS
https://bit.ly/30RQrqV