グラフィック薄氷大魔王[685]AIの衝撃、二連発 「テキストから画像作成」「存在しないアニメ絵」
── 吉井 宏 ──

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●テキストから画像を作成する「DALL-E」

そのうちこういうのが出るだろうとは思ってたけど、現実になってしまった。今までにもテキストの内容に応じてネットから集めてきた画像を合成するようなものはあったが、レベルがちがう。

DALL.E: Creating Images from Text
https://openai.com/blog/dall-e/


例えば、一番上のイラスト。

「赤ちゃん大根」が「チュチュ」を着て「犬の散歩」をしている

括弧内を、プルダウンメニューで別の単語に差し替えると、たちどころに30枚のイラストが生成される。下に多数ある作例を開くと単語を入れ替えられるので試してみて下さい(さすがにまだ、自前のテキストに対応するところまでは行ってないけど)。





僕的にはアボカドの作例がツボ。椅子やティーポットに応用されたアイディアなんか、「上手いなあ!」と感動してしまう。アボカドをピカチュウに替えて、実用的な製品デザインも生成。アイディア段階としては無敵。

こういうインスピレーションの表現もAIがやっちゃうのか……。人間は調整や選択をするくらいしかやることなくなる orz

アイディアはAIが無数に作ってくれて、そこから良さそうなものを選んで、ブラッシュアップすることになりそうだなあ。AIより面白いもの考えられるかなあ? あとはもう「情」の世界しかw

●存在しないアニメ絵「This Anime Does Not Exist」

数日後、またまたAIの衝撃。無段階にアニメ絵が変化するもの。雰囲気やニュアンスが変わるだけじゃなく、「見たことないタイプの絵」や、Deep Dream的な連想が加わった「悪夢的な絵」になったりする。
https://thisanimedoesnotexist.ai/index_jp.html


下のスライダ2本を操作。上のスライダで「複雑度、派手度」を調整。下のスライダは左に寄せるかスペースバーを押して動きを止めておくほうが見やすい。

作者の解説サイト↓
https://nearcyan.com/this-anime-does-not-exist/


「存在しないアニメ絵」とはいえ、たぶんWebからサンプリングしてきた「萌え絵」をソースにしてるんだろう。

思ったのは、元絵の作者が、自分の絵のAIによるとんでもない変化を見てどう感じるんだろう? ってこと。改竄や冒涜と思う人もいるだろうけど、「AIが自分の常識を平気で限界突破してくれる」のは刺激になるんじゃないか? 僕だって自分の常識の殻や限界を突破した先を見てみたい。

上のアボカドやピカチュウも同じく、「普通はそんな考えしないし、思いついても実際に形にするまではしない」ってところをAIは平気でやっちゃうのだ。黙々と作業を続ける産業用ロボットと同じく、「知的」な作業も「めんどくさい」「疲れた」とかの感情抜き。おそろしいw

○渋谷の画材ウエマツのショーウインドウの展示に参加してます。
「渋谷&YouTube 春の呼吸アート展 ~牛とアマビエでコロナを撲滅~」
1月いっぱいやってます。
https://kirasuma.info/20210102_art_1/



【吉井 宏/イラストレーター】
http://www.yoshii.com

http://yoshii-blog.blogspot.com/


「あつもり」っていうと、どうしても「人間五十年、化天のうちを比ぶれば」って信長が舞うアレと思っちゃう。「翔んだカップル」シリーズで、轟二郎が信長の格好して敦盛を舞うのすごい好きだったなあ……。

○吉井 宏デザインのスワロフスキー

・十二支(丑年)OX
https://bit.ly/37gbNEN