まにまにころころ[44]天高くオレ肥ゆる秋!/川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

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こんにちわん、コロこと川合です。今日で9月も終わり、大阪は気候もすっかり秋っぽくなりました。まだ半袖Tシャツで過ごすことも多いのですが、それだと朝晩は肌寒いです。時が経つのは早いですねえ。

今日で9月も終わり、と自分で書いておきながら、軽いめまいが......時が経つのは早いといえば、先日21日で弊社かぷっとが丸3年。こちらもちょっとクラクラします。時の流れ、もう少し手加減して欲しいっ。

◎──秋と言えば

さて気を取り直して、秋の話をすることにしましょう。勉学の秋? 運動の秋? いやいや、やっぱ秋は、味覚の秋! 実りの秋! 食欲の秋! 天高く、俺肥ゆる秋! あ、まためまいが......運動も大事にします。

みなさんは、秋の味覚、何が好きですか? 秋刀魚? 栗? 松茸? 米? サツマイモ? 梨? 銀杏? ブドウ? どれも捨てがたいですが、私は柿が大好きです。

この半月ほどで、たぶんもう10個くらい食べました。本当はもっと、毎日でも食べたいくらい好きです。先日、農協のお店で柿フェアやってて幸せ気分全開で購入。

柿と、あと栗とサツマイモを購入。今日はこの3つの秋の味覚について、あまり知られていない豆知識でも書いてみようかと。柿なのに豆。栗でも豆。芋も豆。




◎──サツマイモは薩摩(鹿児島)原産ではない

サツマイモは薩摩原産じゃない。そう言われても「どっかから最初に伝わったのが薩摩だったんでしょ」としか思わないかも知れませんが、最初に伝わったのも、薩摩じゃないんです。最初に伝わったのは宮古島(沖縄)だそうです。そろそろ江戸時代に入るぞーってくらいの時代に中国経由で。

そうか、そこからどんどん広がっていったのか、というのも違ってて、宮古島では、別にどこかに伝えようって動きもなく、与那国島、石垣島、沖縄本島と、どこもバラバラにそれぞれ、中国から伝わったそうで。

その後、沖縄本島から種子島に伝わってそこでも栽培に成功。そうか、種子島から本土に伝わったのか、と思いきや、本土は本土で別途、薩摩の人が沖縄本島へ行ってもらってきたのが最初らしいです。

あまり島々と交流なかったんですかね。当時の沖縄は琉球王国なので、まあ、日本で最初に伝わったのが薩摩、と言えなくもないか。

ちなみに原産は中南米だそう。中国へはフィリピンから伝わったそうです。

サツマイモは痩せた土地でも育つので火山灰の土地でもOK、背も低いので台風の被害も受けにくい、ということで、薩摩との相性がよかった。

薩摩に限らず、痩せた土地でも育つ穀物というのは魅力的なんですが、薩摩藩は独占しようと持ち出しを禁止。瀬戸内の大三島出身で諸国行脚していた僧侶の下見吉十郎が、痩せた土地でも育つし風雨にも強いなんてすげー、地元の瀬戸内も気候によく悩まされるから是非分けて欲しいと、知り合った農家の人を文字通り拝み倒しなんとかこっそり入手。

ばれたら確実に死刑なので、仏像の中に隠して持ち帰ったそうです。その命がけの行動が実って、飢饉に苦しんでいた大三島や、その周辺の食糧事情は大いに安定。下見吉十郎は今も甘藷地蔵(いも地蔵)として祀られているそうです。

サツマイモ関係で全国的に有名なのは青木昆陽ですよね。日本史の教科書にも載ってた記憶が。暴れん坊吉宗の治世のこと、享保の大飢饉が起こって餓死者が大勢出る中、下見がサツマイモを育てた大三島では餓死者ゼロ。

それが吉宗に伝わって、それなら全国にサツマイモを広めなきゃってことで、その役目を仰せつかったのが青木昆陽。青木昆陽も甘藷先生、いも神さまと奉られたそう。

こうして知ると、ちょっとサツマイモのありがたみが増したような気がします。

◎──栗は果実である

栗は果実、だそうです。食べているのは種子の、双葉の部分なんですが、種子は渋皮から内側。外側の皮(鬼皮)は果実の皮、だそうです。スイカは野菜、というのと同じくらい、どうでもいい話ですね。分類上だけの話。

さて、江戸時代に入ってきたサツマイモと違い、栗は自生する原種が縄文時代には既に食べられていたことが分かっているくらい、日本人と古くからの付き合い。実だけでなく、木材としても薪としても縄文時代の主流だったそうです。

大別すると、ニホングリ、セイヨウグリ(欧州)、シナグリ(中国)の三種で、どれもスイーツ(笑)としてそれぞれ楽しまれていますね。

西洋のは、マロングラッセやモンブランとして、中国のは天津甘栗として。天津甘栗、別に天津の名物でも何でもなく、中国から栗を輸入する際に天津の港が主な拠点だったというだけのことみたいです。天津飯が天津と無関係なのと同じようなもの。

中国産のシナグリは、ニホングリと違って渋皮が密着していないので、煎って手でむいて食べるのに適しているとのこと。ニホングリは、他の二種に比べると圧倒的に香り高く、栗ご飯にして美味しいのは断然ニホングリ。品種改良で、渋皮がむきやすいニホングリも出てきているとのことなので、最強ですね。

「桃栗三年柿八年」と言われて、8年も待てないし3年で実がなる栗を育てようというのは早計で、栗には雄花と雌花があり雄花しかつかない木がある上に、同種の花粉では受精せずに実がならない(自家不結実性)という性質があって、栗の木を育てて栗を収穫するのは、なかなかに大変なようです。

ちなみに柿は、受精しなくても実がなる性質(単為結果性)があるので、実のなりやすい品種を選べば、一本でも大丈夫! まあ本当に育てるとなるとそんな単純なものじゃないと思いますけどね。

栗の花といえば、ああ、いや、この話はやめておきましょう。

◎──柿には甘柿と渋柿がある

甘柿と渋柿があることくらい知ってるよ、渋柿は干し柿にして食べるんでしょ、干すと渋が抜けるんでしょ、と私はずっと思っていました。知らずにずっと、渋柿をぱくぱく食べていました。

種なし柿として出回っている「平核無柿」や「利根早生」は、渋柿の代表格。渋柿は、収穫後にアルコールや炭酸ガスで渋を抜いています。平核無柿を木になったまま渋を抜いて収穫すると「紀ノ川柿」という甘みが強く、中が真っ黒な柿になります。

食感も、平核無柿に比べるとシャクっとした感じに。個人的には平核無柿のほうが好きですが。ちなみに、種なし柿に種がないのは受精していないからです。

甘柿の代表格は、富有柿。こちらは単為結果性があまり強くなく、受精させるので、たいてい種があります。甘柿は渋柿の変異種だそうで、柿は基本的には渋いものなんですね。

渋さの原因は水溶性のタンニンで、渋抜きとはタンニンを不溶性に変質させること。タンニンがなくなるわけじゃなく、舌に感じなくなるわけです。

柿の渋みは「柿渋」として、渋柿を絞って取り出されたものが古来から防腐剤や染料などとして利用されていて、最近また天然の抗菌作用が改めて注目されているそうです。

「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺がありますが、柿は栄養も豊富。ビタミンC、ビタミンA、カロテンほか、ビタミンB類、E、Kや、各種ミネラルも。糖分も多いので、食べ過ぎると太りますけどね。

実だけでなく、柿の葉茶は花粉症に効果があると言われたり、その抗菌作用で柿の葉寿司に利用されたり、葉も活躍。ヘタは漢方薬(柿蒂)になるそうです。柿、すごい! 大好き!


そろそろ秋本番。また油断するとあっという間に冬になってしまうので、今のうちに秋の味覚を思う存分楽しみましょう!

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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・川合さんは農学部の出身なのでしょうか。秋の味覚について、既に何回か書いていると思いますが、わたしのお気に入りネタなのでもう一度。

かつて長野県上田市のマルチメディア情報センターまで出かけて「デジタル部活」をやっていた時期があり、あるとき松茸づくしのディナーの接待を受けた。松茸の土瓶蒸しを味わったとき、あまりのおいしさに感動し、つい言わずもがなの一言を。「永谷園の松茸の味お吸い物と同じだあ」。ごちそうしてくれた人、がっかりしただろうなあ。ギャグにもなりませんわ。(柴田)