まにまにころころ[46]電子読書の秋!/川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito

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こんにちわん、コロこと川合です。今はやぶさに乗って青森に向かっています。青森で開催される電子書籍のセミナーで、ちょこっとお話しするお仕事で。そんなわけで、今日は読書の秋、電子読書の秋ってことで。前にもちょこっと電子書籍の話は書きましたけど、改めて。

◎──電子書籍とは?

今さらですが、電子書籍とは、電子機器のディスプレイで読むことができる、文章を中心としたコンテンツのこと。iPadが登場した2010年くらいから、「電子書籍元年だー」ってなことが言われていますが、実感としては未だに元年が明けません。でも、どんどん閲覧端末やサービスは増えていて、元年のままに群雄割拠の戦国時代を迎えている状況です。誰か「もはや元年ではない」って言い切ってくれないかな。




◎──電子書籍のカタチ

電子書籍と言えば「EPUB」という規格が標準のイメージがありますが、前段で書いた定義の通り、電子書籍とは電子機器で読める文章メインのコンテンツのことですので、テキストファイルも画像ファイルも、HTMLもPDFも、電子書籍として用いられていれば、それらも電子書籍のフォーマットと言えるんですよね。

そういった各種ファイルがあって、それを読ませるアプリケーションがあれば、もう電子書籍。端末も、電子書籍の閲覧端末と言えば、Amazon KindleやSony Readerといった専用の電子書籍リーダーがまず挙げられますが、スマホやタブレット、またPCやフィーチャーフォンも電子書籍の閲覧端末です。

◎──電子書籍の流通

電子書籍の流通と言えば、Kindleストアや、koboイーブックストアでのダウンロード販売が思い浮かびますが、昔々からCD-ROMなどの形で販売されていたり、書籍の付録として提供されていたり。そう考えると、電子書籍元年よりもずいぶん以前から電子書籍は流通、利用されていたんですね。そういえば落ち着いて思い返せば昔から、イーブックだとかなんだとか、そんなものが書店で売られていたような気が、するような、しないような。

◎──電子書籍のいいところ・わるいところ

電子書籍のいいところは、なんといっても、軽いところと省スペースなところ。本好きほど悩まされてきた問題が一挙に解決。データ容量の限り何十冊、何百冊もの書籍を、端末の重さのみで持ち運べるなんて夢のようです。しかも場所を取らないし劣化もしない。

そして、何らかの事情で販売が終了されない限り、入手できること。ちょっと販売が思わしくない書籍だって、それを理由に絶版されることも、売り場の棚からなくなることも(たぶん)ない。あとは電子書籍ならではの「検索」や、「書籍を超えた表現」が可能なことも魅力です。

一方でわるいところ、というか残念なところは、「紙じゃない」ところ。当たり前ですけど。でも、本好きはコンテンツだけでなくて、紙の部分も好きなんですよ。装丁とか、手触りとか、紙とインクの匂いとか、そんなの全部ひっくるめて「本」なんですよ。それをパラパラめくるのがいいんですよ!(力説)

あとは「権利」の問題ですね。電子書籍ってデータだから、「所有」できない。Kindleで買うのは、正確には「閲覧する権利」ってとこで。ものによっては閲覧可能な期限があったりしますし、そうでなくてもサービスが終了したら新たにダウンロードできなくなって、手元のデータが飛べばおしまいです。DRMで複製や移動が制限されていることも多いです。その辺りはまだまだ今後どうなっていくかわからない課題ですね。

◎──電子書籍の作り方を学ぶ

「電子書籍 講座」あたりのワードで検索すると、いくつかスクールの案内が出てきますが、ほとんど中身は「DTP講座」なんですよね。まあそれもしかたないというか、一般的な小説や新書のような電子書籍なら、ワープロソフトで作れてしまうんです。雑誌のような写真がどーんってタイプのものでも、ページの分だけJPEG画像を用意すれば、アップロードするだけだったり。

だから内容がDTP講座になる。特殊な機能を持たせたようなものでなければ、電子書籍制作のために必要なスキルって、極論すれば「面白い文章を書く技術」だけなんですよね。「電子書籍 求人」で検索してみるともう少しはっきりしてて、どこも「電子書籍を作れる人」なんて募集していない。出てくる求人は閲覧アプリの開発エンジニアがほとんどです。

なので、「電子書籍の作り方」というのは、普通の読み物コンテンツだとすれば、求められるのはデジタルな技術じゃなくて、企画力や構成力で、文章力といった感じ。学校で学ぶとすれば、編集者養成やライター養成の学校で。調べていないので分かりませんが、ラノベ作家を養成するような学校とはとても相性良さそうですね。学生でも誰でも、書きさえすれば出版できるので。

一方で「普通の読み物コンテンツ」じゃないものを作ることを考えられるのが、電子書籍のいいところ。というか、それこそ本懐じゃないですかね。運びたいだけ、棚を整理したいだけで紙を捨てたわけじゃないだろって話で。

せっかく「電子書籍」なのに、まだまだ「本」の枠から抜け切れていない感じが、未だ「元年」なところかなって思います。マーカー機能で線が引けるよ、とか、付箋機能でほらメモがっ、なんて、そんなネタじゃワクワク要素が足りなさすぎる。(笑)

普通の読み物コンテンツの線だけでいくと、コンテンツの種類によって、向き・不向きがどうしても出るんです。例えば実際にあれこれ普通の本を電子書籍で買って読むとわかるんですが、コミックや小説のような、頭から一方通行で読む本にはある程度向いています。向いているというか、そう不満を感じない。

ただ、たとえば技術書や雑誌など、行ったり来たりして読むもの、好きなところから好きなように読むようなものには、あまり向いていません。ざーっとパラパラめくれないから。ほか、上の方で簡単に作れるって挙げた、雑誌のように写真がどーんってあって、文が載っててというのも、紙でやってることそのままだと読みにくくてしかたない。雑誌の見開きを再現しようと思ったら、そこそこのサイズのディスプレイがないと。携帯端末では楽しめないでしょ。

◎──そろそろ白河

上野過ぎたあたりから書き始めた今回、そろそろ白河にさしかかるところ。関所で検閲されて原稿が取り上げられてしまわないうちに、この辺で終わりにしたいと思います。さて、東北、楽しんできます☆

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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今回書いたような話をかいつまんで15分で話してくるお仕事です。(笑)