腕時計百科事典[87]腕時計を捨てる方法
── 吉田貴之 ──

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以前、腕時計を手放す方法についてまとめましたが、今回は「腕時計を捨てる方法」について考えてみましょう。もちろん、可能であれば売るなどして、少しでもお金になれば嬉しいのですが、どう頑張っても売れない腕時計もすくなからず存在します。その腕時計の最後のオーナーとして、腕時計の一生を終える方法をまとめました。





▼腕時計を分解する

腕時計を捨てるからといって、いきなりゴミ箱に投げ入れる人はいないでしょう。まずは腕時計をできる限り分解して、分別しやすい状態にするべきです。

ここでのポイントは、クォーツ時計と機械式時計とでは分解作業の楽しさが異なる、ということです。機械式時計の分解は、腕時計マニアにとって、一生に一度体験できるかどうかのエンターテイメントです。一方で、クォーツ式時計の分解は中身のシンプルさに、がっかりしてしまうかもしれません。

▼分解できたら

もしうまく分解できたのであれば、捨てるのはもう少し待ってください。バラバラにした部品の中に、売れるものがあるはずです。革ベルトや電池などの消耗品は難しいかもしれませんが、それ以外の部品については欲しがっている人がいるはずです。

特に、キズのない風防、竜頭、裏蓋、ブレスレットのコマ、テンプなどは需要がありますので、モデル名や型番などを付記して、オークションサイトやフリマサイトに掲載してみましょう。

▼それ以外の部品の捨て方

あらためて、残った部品をみてみましょう。バラバラになったムーブメント、針や文字盤、風防、ケースと裏蓋、革ベルトや尾錠などでしょうか。もしかしたら箱やケースなども残っているかもしれません。

革ベルトや箱、取説、パッキンなどは、可燃ごみとして捨てることが出来ます。クォーツ式時計についている電池は、地域のルールに則り、適切に処分しましょう。特に、ソーラー時計などに使われている充電池には注意が必要です。可燃ごみとリサイクルゴミ以外で、残っている部品はおおむね「不燃ごみ」のはずです。

▼腕時計の供養

思い出のつまった腕時計を捨てるのはしのびない、という方のために、福岡県の恵蘇八幡宮(えそはちまんぐう)では「時計の供養祭」を実施しているそうです。事前に連絡すれば郵送でも対応してくれるそうですので、気になった方は調べてみてください。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。