腕時計百科事典[93]腕時計を保護するいろいろな方法
── 吉田貴之 ──

投稿:  著者:



購入したばかりの腕時計は、つやつやと光り輝き、「貴重品」や「高級品」と呼ばれるにふさわしい雰囲気を漂わせています。だからこそ、不注意で、あるいは知らないうちにキズをつけてしまうと、それらが損なわれたような気がして、腕時計への愛着が少し失われてしまいます。腕時計をキズからまもる方法をいくつか紹介します。





◎シール

腕時計を保護する代表的なものが「シール」です。特に一般的なのが「裏蓋シール」でしょう。市販のものも多数存在しており、肌と接している時間の長い裏蓋を物理的に保護することで、汗による劣化や刻印の摩耗を防ぎます。裏蓋シールに近いものとして、ブレスレットのバックルを保護するシールも販売されています。腕時計装着時にアテキズの起こる可能性が高い、バックルを保護してくれます。

◎フィルム

フィルムは、新品の腕時計の保護材として用いられます。素材としては食品用のラップに近いものが多く、ブレスレットに巻きつけたり、風防や裏蓋に貼ってあることが多いです。シールとの違いは粘着力があるかどうかだけでなく、素材そのものの硬度や柔軟性にも見られます。当然、つけたままの使用には向いていません。

◎保護液

腕時計の表面に塗ることで、コーティングするタイプの保護剤も存在します。保護剤が乾くと透明になるので、シールと比べると見た目も損なわず、装着感も変わらないので最適解なように思えます。

時計本体にキズがつくような状況では、コーティングが剥がれることで腕時計を守る役割を果たしてくれます。コーティングが剥がれてしまうと、見た目がよくありませんので、すべてのコーティングを剥がして塗り直すことになりますが、その手間を惜しまないのであれば悪くない保護方法でしょう。

◎プロテクター

ダイバーズなど過酷な環境で使用することを想定している腕時計には、専用のプロテクターが販売されているものもあります。専用なので隙間なくフィットしますし、本体を保護する観点でも最も効果が高いものですが、いかんせん腕時計がひと回り大きくなってしまうのがデメリットです。

専用プロテクターの販売数は、時計本体に比べて圧倒的に少なく、販売期間も短いことが多いので、気に入ったものがみつかったのであれば複数個手に入れておくことをおすすめします。

◎携帯ケース

実は、腕時計にキズがつく可能性がもっとも高いシチュエーションは、持ち運ぶときです。特に、鞄に入れて運ぶときに、その周囲にある鍵や小銭、携帯のストラップなどとが腕時計にキズをつけてしまうことがあります。

これを防ぐためにも、腕時計専用の携帯ケースを使うことをおすすめします。腕時計の携帯ケースは、残念ながら一般的な商品ではありませんので、それほど選択肢が多いわけではありません。気に入ったものが見つからない場合は、メガネ用のケースで代用するなど、いろいろ工夫してみてください。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
https://www.idia.jp/

腕時計ポータルサイト:腕時計新聞
https://www.watchjournal.net/


兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。