腕時計百科事典[97]腕時計の真贋を見定める:初級編
── 吉田貴之 ──

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腕時計の真贋を見定める方法の初級編として、「すぐにわかる偽物」について紹介していきます。腕時計百科辞典では「意図的に既存の商品を模倣してつくり、既存の商品と誤解させて購入させることを目論んで製造/販売しているもの」を偽物の定義としていますが、初級編で紹介するものには、この定義から漏れるものもあります。





●悪意の有無

具体的には、知識が足りなかったり勘違いしていることで、商品説明がおかしいものです。腕時計のすべてが「クロノグラフ」だと思っていたり、機械式時計なのに「電池は交換していません」などの説明をしていたりするものもあります。ほとんどの販売者には悪意はありませんが、これを逆手に取って、意図的に素人を装っている場合もあるので、注意が必要です。

●極端に安い

偽物を見分ける一番簡単な方法は、価格をみることです。相場と比べて極端に安い場合は、偽物を疑うべきです。通常60万円で販売しているものが、3万円で販売されることはありません。

ネットオークションやフリマアプリでは、稀に本物なのに極端に安く出品されているものがみつかることもありますが、それは出品者の設定ミスだったり、何らかの理由で複数に出品を分けていたりしますので、そのままの価格で手に入れることはほとんどできないはずです。

●そもそもデザインが異なる

次に、そもそも流通しているものとデザインが異なる個体は、偽物である可能性が高いといえます。極端にいえば、オメガのスピードマスターなのにロレックスの王冠がついているものは、本物である可能性は低いでしょう。また、修理の範疇を超えて改造された腕時計も、これに属すると考えてよいでしょう。

●その個体しかない

その商品をインターネットで検索して、同じものを見つけることができない場合、偽物の可能性があります。積極的に限定モデルを展開しているブランドもありますので、自分が知らないから、見つけられないからといって偽物だと断じるのは良くないですが、他に流通している裏が取れないのであれば、購入するのはやめておいたほうが良いでしょう。

●パロディやオマージュである

腕時計には誰でも知っているブランドやモデルがあります。それを模倣して、冗談として制作されたモデルもあります。たとえば「フランクミュラー」を模して作った「フランク三浦」という腕時計が話題になったことがありますが、これを悪意を持った偽物ととらえるかどうかは判断が分かれるところです。

また、人気のある腕時計のデザイン要素をうまく盛り込んで、安価に販売しているメーカーもありますが、これも売り方によっては偽物と捉えられる場合があるでしょう。

●まずは基本的な知識を

ブランド腕時計を購入するにはそれなりの金額が必要ですので、損をしたくないのであれば、ある程度下調べしてから買うようにしましょう。あからさまな偽物を買ってしまうのを避けるには、これしかありません。


【吉田貴之】info@nowebnolife.com

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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の
整理や表現について研究しています。