まにまにころころ[42]バックアップは大事!
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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こんにちわん、コロこと川合です。いつの間にか8月も終わろうとしてますね。そうそう、ここしばらくずっと書いてきた「まにまにフェスティバルP2」も、おかげさまで無事終えることが出来ました。ご来場、応援いただいた皆さま、ありがとうございました!

まにフェスは無事に終わったんですが、無事とは言い切れない出来事がひとつ、まにフェスとは全く関係のないところで起こっていました。弊社スタッフ用の共有ストレージが壊れてしまいまして......それも、まにフェス前日に。

結論から言えば、ストレージが一時的に機嫌を直してくれた隙に重要なデータはすべて回収できたので、無事と言えば無事だったんですが、もうイベント中も気が気じゃなかったです。というのも、バックアップをまったく取っていなくて。

経理データなど、大事なもの色々入ってたのに。
しかも、弊社、今月が決算という。

それはそれはもう、焦りました。今回は、ただひと言「バックアップ大事!」と、それを言いたいだけです。もうここで終わってしまってもいいくらい。

って、まあ、そうもいかないので、ここしばらくを振り返りつつ、いくつか。あくまで超小規模な会社や個人レベルの話ですけれど、参考まで。




◎──バックアップでリスクを分散

今さら言われなくてもバックアップが大事なことは重々分かってる。ええ、私だってそう思ってました。でも、障害は、こちらの気の緩む隙を、虎視眈々と狙っているかのごとく訪れるんです。また、たとえ気を張っていたとしても、最悪のタイミングを狙って訪れるんです。ヤツは魔物です。

もしかしたら、企業レベルよりも、個人レベルのほうがある意味大事かも知れません。会社のデータなんて、最悪のケースでもデータと共に会社が吹き飛ぶ程度ですが、個人の場合、思い出のデータが失われる危険性があります。特に、写真データは要注意です。

会社の書類にも言えることですが、色々なものがデジタルデータ化されていくことで、ある意味、耐障害性が低下してしまっています。例えばゲリラ豪雨で服や鞄が水浸しになって、家族の写真を撮り貯めていたスマホが故障、修理に持っていったものの、完全にショートしてしまっていて復旧は絶望、なんて。

これ、昔ながらの紙の写真だったら、シワ程度で済んだかもしれませんよね。
ちょっとした不注意や事故で、子供や孫の写真が完全に消えてしまう。自分の
子供時代の写真は残ってるのに。坂本龍馬の写真さえ残ってるのに。

そんなことにならないように、バックアップは取りましょう。PCやHDDにコピーするのもいいですし、DVDなどに焼いてしまうのもいいですが、いずれも意外と耐久性は低いので注意。写真の場合、これはという写真はプリントしましょう。

書類も、大事なものは印刷しちゃいましょう。ペーパーレス時代? そんなの、ケースバイケース。まあ、本当に消えて困るような書類って、すごく限られていると思いますけどね。

とはいっても、膨大な写真をいちいち印刷してられない。でもどの写真も大事。そんな時こそデジタルの強みを活かしましょう。コピーを増やすんです。PCに残しつつ、外付けストレージにコピーしつつ、一定量毎にDVDなどに焼く。時々、破損していないかチェック。そんなこんなで乗り切ればOKです。

バックアップとは、要するに、コピーを作ってリスクを分散させること。さあ、どんどんコピーを作って備えましょう!(整理に困って泣く危険性大ですが)

◎──RAIDという仕組み

「RAID(レイド)」という言葉、デジクリ読者ならほとんどの方が聞いたことあると思いますが、HDDなどのストレージを複数台組み合わせて使う仕組みをRAIDといいます。

RAIDには用途に応じていくつか種類があり、大きく分けると、読み書きを高速化させるための「ストライピング」と、コピーを作って障害に備える「ミラーリング」があります。「RAID0」がストライピング、「RAID1」がミラーリング。

実際にはRAID2〜6や他にも色々あったり、組み合わせて使う「RAID0+1」なんてのもありますが、今回の話ではRAID1を知っていれば十分。ミラーリングというのは、同じデータを同時に2台に書き込み、片方が壊れてももうひとつあるから大丈夫、という仕組みです。

弊社も今回の出来事を機にストレージをRAID1にしました。頻繁に読み書きするデータは入れないので、高速化は必要ないし、同時に2台のHDDが壊れるような事態に遭遇する可能性も低そうなので、費用も考慮してRAID1を選択。

一般用なら2TBの容量で3万円くらいで用意できるので、個人にもお薦めです。

◎──PCを丸ごとバックアップ

会社や家族で共用のストレージを使ったり、データが多くて外付けストレージを使ったり、そんなことはしていなくて全部データはPCの中、という方。また、外付けストレージも使っているけど、PC内にだってデータやアプリケーションなど色々入ってるしバックアップを取っておきたい、という方は、PCを丸ごとバックアップしちゃいましょう。

ACRONIS社の「True Image」というソフトで、丸々バックアップできます。
< http://www.acronis.co.jp/homecomputing/products/trueimage/
>

同じようなソフトは他にもあると思うので、調べてみてください。

「イメージバックアップ」でOSを含め「丸ごと」バックアップを作成するので、設定から何から全て元通りに復元できます。

◎──トラブルに備えて気をつけておきたい細かいこと

データが壊れてしまった時、あるいは消えてしまった時、状況によっては復旧ソフトなどを使うことで一部だけでも救出できる可能性があります。そんな時、救出できる可能性を少しでも高くしたいなら、気をつけておきたいことが。

それは「ファイル名の付け方」です。フォルダ名も同様です。

昔々からずっとPCを使われている方は、自然と「ファイル名に適した文字」が身についていたりしますが、最近はOSやアプリケーションが柔軟なために逆に、いざという時に困るようなファイル名が氾濫しています。

例えば簡単な例では、日本語のファイル名。これ、何かの拍子にファイル名が「文字化け」した場合、ファイルを認識できなくなる可能性があります。

ぱっと見で分かりやすいので、私もよく日本語で付けてしまうんですが。(この原稿データも「まにころ42.txt」だったりします......)

でも、大事なデータほど、日本語ファイル名はやめましょう。万一に備えて。

ファイル名やフォルダ名には、以下を使うのは避けましょう。

・日本語含めマルチバイト文字
・特殊文字
・スラッシュ
・バックスラッシュ(¥)(¥マーク)
・カンマ
・ピリオド(ドット)
・カッコ類
・クォーテーションマークなどの引用符
・演算子
・コロンやセミコロン
・エクスクラメーションマーク
・クエスチョンマーク
・スペースやタブといった空白

ほとんどは、そもそもつけられないことが多いのですが、時々、携帯メアドのノリで使われたドットや空白は見かけます。

これらの文字は環境により解釈のされ方が異なったりで、困ったことが起きる可能性が高いです。細かい開設は省きますが、ともかく使わない方向で。

◎──復旧に2週間

長々とあれこれ書きましたが、最初に書いたとおり、言いたかったことはただ「バックアップは大事」ということだけ。

今回の出来事で、ここ2週間ほどの大半の時間を復旧に費やしました。ここ3日に至っては、いい加減片付けないと、と泊まり込みで作業してました。「待ち」の作業が多いので、そればかりやっていたわけじゃないですが、精神的にも、結構なダメージを食らいます。だって、適切にバックアップを取っていたら、こんなことにはならなかったんですもん......

とにかく、バックアップ、取りましょう!

【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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>