こんにちわん、コロこと川合です。まにフェスが終わって、human noteの中継イベントもこなし、関西オープンフォーラム2014(KOF2014)も無事終了。秋のイベントラッシュをくぐり抜けて放心状態の川合です。まにフェスくらい、他の時期にすれば良かった……
その間たまりにたまった本業から目をそらし、『軍師官兵衛』を楽しむ日曜日。もう残すところあと5回なんですね。
96年の『秀吉』以来、18年ぶりにちゃんと観ている大河ドラマですが、面白く楽しんでいる反面で、毎週決まった時間にテレビの前にいることの大変さにあえいでいたりします。うち、録画機器ないんですよ。ずっと使ってたVHSデッキも壊れてしまい、そのままで。
仕事柄か、機械もの全般に詳しいと思われがち(同業の方はよく分かるはず!)ですが、パソコン使って仕事しているからといって、何でも詳しいわけじゃないと力説したい。ここで力説したところで、同じ悩みを持ってそうな方しか読まないんですけれど。
その間たまりにたまった本業から目をそらし、『軍師官兵衛』を楽しむ日曜日。もう残すところあと5回なんですね。
96年の『秀吉』以来、18年ぶりにちゃんと観ている大河ドラマですが、面白く楽しんでいる反面で、毎週決まった時間にテレビの前にいることの大変さにあえいでいたりします。うち、録画機器ないんですよ。ずっと使ってたVHSデッキも壊れてしまい、そのままで。
仕事柄か、機械もの全般に詳しいと思われがち(同業の方はよく分かるはず!)ですが、パソコン使って仕事しているからといって、何でも詳しいわけじゃないと力説したい。ここで力説したところで、同じ悩みを持ってそうな方しか読まないんですけれど。
◎──兵法書
そんな話はさておき、官兵衛も堪能したし、今回は官兵衛や他の軍師でも紹介してみようかなと思ったら、既にそのネタはやった後でした。(まにころ49)そこで今回は、『軍師官兵衛』でも最初の方で官兵衛が読んでいた「兵法書」について書いてみたいと思います。「武経七書」と呼ばれる中国古典兵法書について。
◎──「武経七書」
「武経七書(ぶけいしちしょ)」とは、中国古典兵法書のうち、代表的な七つの兵法書のことです。『孫子』『呉子』『尉繚子』『六韜』『三略』『司馬法』『李衛公問対』の七つを指します。『孫子』だけが一般にもずば抜けて有名ですね。
◎──『孫子』(そんし)
中国・春秋時代末期の武将「孫武」の作と言われている超有名な兵法書。その名前は誰もが知っているといってもいいのではないでしょうか。ビジネス書で今なお「孫子に学ぶ〜」と言った内容のものが続々と刊行されています。日本だけで人気なのか、世界的に人気なのかは知りませんが、日本人は昔から『孫子』が大好きです。
武田信玄で有名な「風林火山」も『孫子』からの引用です。『孫子』の中で、軍事行動について書かれた「軍争篇」の中にある言葉で、
「その疾きこと風の如く、そのしずかなることは林の如く、侵掠することは火の如く、動かざることは山の如く」
(其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山)
とあるのがそれで、軍隊をどのように動かすべきかが述べられています。実際には「風林火山」だけでなくその後にもう少し続くのですが、旗に書くのにはこれくらいがちょうどいいのと、当時は教養として武将はみんな知ってたので、これで十分と割愛されたんじゃないですかね。想像ですけど。
そんな『孫子』を著したとされる「孫武」ですが、なんせ2500年ほど前の人で、その実在もあやふやで。つい40年ほど前に『孫子』と、孫武の子孫とされる、孫ぴん(「ぴん」は、「濱」の「さんずい」が「月」の漢字)の『孫兵法』の竹簡が発見されて、それぞれの古さの違いから孫武は孫武で存在した(『孫子』も孫ぴんが書いたのではないかと言われていた)のだろう、実在したと考えていいだろうという話が優勢になったくらいで。未だに謎多き存在です。
ただその内容は割と簡潔に基本的なことが書かれていて、だからこそビジネスなどにも通じると、応用されやすいんでしょうね。2500年前の戦争の話なので、使えない部分もそれなりにありますけどね。火攻めとか。(笑)
書籍もたくさん出ていますし、ググれば原文も解説も山ほどでてきますので、一度ご覧ください。
なお「孫ぴん」は「ビン〜孫子異伝〜」というタイトルで、グランドジャンプで連載中の漫画の主人公になっています。孫子ともども謎の人なので、内容は完全創作の超展開ですけども。
◎──『呉子』(ごし)
「武経七書」といっても、『孫子』以外の六つは現代では一気にマイナーになります。なんせ兵法書は戦争についての書、戦国武将ならいざ知らず、なかなか現代に応用できる部分が少ないからでしょう。ただ、あくまで「現代では」って話です。『韓非子』には、『孫子』と『呉子』はどの家にもある、と記されています(「蔵孫呉之書者、家有之」)。
『呉子』も『孫子』と同じく中国・春秋時代の書とされていますが、その作者は不明。「呉起」を主人公として物語形式で書かれているので、著者も呉起か、その弟子あたりじゃないかと言われています。孫武よりちょっとだけ後の時代の人です。
六篇が現存しますが、『漢書』には「呉子四十八篇」と書かれているそうで、散逸したのでしょうか。そう聞くと残りがとても気になりますね。いつか発掘されることを祈りましょう。
『呉子』もたくさん書籍が出ています。『孫子』とセットになったものもあり。また『呉子』もググればあれこれ出てきます。
◎──『尉繚子』(うつりょうし)
さらにぐっとマイナーになります。著者も、書名から「尉繚」だかその弟子だろうと言った程度で、「じゃあ尉繚って誰よ?」という話になったりします(「呉子」はもう少しはっきり「あの呉さんだろう」って言われています)。
『尉繚子』の冒頭で「尉繚」は「梁(魏)の恵王」と会話しています。また、『史記』で、「尉繚」は「政(始皇帝)」を訪ねています。恵王が紀元前319年に亡くなっていて、始皇帝が紀元前246年の即位なので、両書の記述にあるのが同一人物であり真実であるとすれば、20歳で亡くなる直前の恵王に会っていたとして、即位したての始皇帝を訪ねていたら93歳の時のこと。長寿です。
なお内容に、『孫子』『呉子』『孟子』『韓非子』の影響があるとのことで、そこからは戦国時代から秦代くらいのものだろうと言われています。二十四篇。
2000年以上前のことですし、仮にもう少し後世に書かれていたとしても、古来から名著として読まれてきているわけなので、どうでもいいといえばどうでもいいことなんですけどね。
当時の戦争についての具体例が多いので、そのまま参考にはならないのですが、「夫心狂目盲耳聾、以三悖率人者、難矣。」と、精神が乱れていて、人の話を聞かないで、物事が見えないような奴はリーダー失格だと書かれています。
まったくだ、うん。
当然といえば当然ですが、兵法書の根本はリーダー論なので、その点が経営者に受けるんでしょうね。
◎──『六韜』(りくとう)
これまた成立年も著者も不明。呂尚(太公望)が周の文王・武王に指南する形で書かれています。前漢の軍師「張良」が黄石公という仙人から授かったとの伝説があります。日本では中臣鎌足も読んでたらしいですよ。真偽はともかく。
『六韜』なんて、書名も聞いたことがないという方も多いかもしれませんが、「虎の巻」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。「虎の巻」は『六韜』の第二巻にある「虎韜」のことです。
『尉繚子』『六韜』になると、現在発刊されている書籍もぐっと減りますね。『三略』『司馬法』『李衛公問対』も。Googleバンザイ。研究者バンザイ。
◎──『三略』(さんりゃく)
『六韜三略』とワンセットにされることも多い書。「上略」「中略」「下略」の三部構成のため『三略』と呼ばれています。太公望が書き、黄石公が編集したそうですよ。『六韜』とセットにされるのは、どちらも太公望由来だから。真偽? そんなことはどうでもいいんです。中身が大事!
これも読んだことある方は少ないと思いますが「柔よく剛を制す」は『三略』の言葉です。
「軍識曰、柔能制剛、弱能制強。柔者徳也、剛者賊也。弱者人之所助、強者怨之所攻。柔有所設、剛有所施、弱有所用、強有所加。兼此四者、而制其□。」とあり、(□はyiと発音する 宣 に似た漢字)
「軍事指針である軍識には、『柔』でも『剛』を制することができ、『弱』でも『強』を制することができると書かれている。柔の者は『徳』、剛の者は『賊』である。弱の者は人に助けてもらえるし、強の者は恨まれて攻められる。柔にも剛にも弱にも強にも使い所がある。この四者を適宜使い分けるのだ」
というのが元々の言葉です。柔がいい、弱がいい、って話じゃないんですね。それぞれ長短があって、要は使いようだって話。
◎──『司馬法』(しばほう)
斉の司馬穰苴を主人公に書かれた書。書かれたのは、戦国時代中期から秦代と言われています。元は百五十五編からなる書ですが、現存はそのうち五篇です。残念。
「攻其國愛其民、攻之可也、以戰止戰、雖戰可也」とあり、「攻めてもその国の民を愛するなら攻めてもいいし、戦争をすることで戦争が止むのならば戦争を起こしてもいい」と、一部の人には読ませたくないようなことが書かれていたりしますが、戦争を美化する書ではありません。面白いことにこれら兵法書の多くは戦争に否定的です。
◎──『李衛公問対』(りえいこうもんたい)
急にぐっと時代が下って、唐から宋の時代に書かれたとされる書です。李世民と李靖が、歴代の兵法家や政治家について問答する形をとっています。きちんと読んだことはないですが、色々な有名人が出てくるので面白いと思いますよ。
太宗「張良と韓信は兵法書を分類したらしいね」
李靖「張良は『六韜』『三略』、韓信は『孫子』『司馬法』で学んだってよ」
なんて感じで書かれています。
◎──兵法書を読む
長くなってきて明らかに途中で息切れしてしまいましたが、どれもそのままは使えなくても、どこか得るものはある書だと思います。まあそんなこと言えば、どんな書だってそうなんですけどね。
原文はもちろん訳書でも読みにくいものが多いのが難点ですが、別に読み通す必要もないので、何かの折にパラパラと眺めてみるといいのではないでしょうか。古代中国が舞台の小説を読むついでにでも。読書の秋ですしね。
◎──最後にイベントのお知らせ(大阪)
・まにゼミP13『Webデザイン・コミュニケーションの教科書』出版記念
「クライアントのバックグラウンドを考えたビジュアルデザインを実現するには?」
2014年12月20日(土)13:00〜
< http://kokucheese.com/event/index/233176
>
・まにカレ「忘年会というかクリスマス会というか、なんかそんなの」
2014年12月20日(土)18:15〜
< http://kokucheese.com/event/index/233412/
>
・「ぼくらの移住計画」
「ぼくらの移住計画」という、福岡・京都を中心に、大都市から地方都市へと移住して働くクリエイターのトークイベントに、なぜか出演することに。大阪が大都市か地方都市かはともかく、福岡や京都に人材を持っていかれたら困るんですけども。(笑)
2014年11月30日(土)14:00からグランフロント大阪にて。福岡市主催。
< http://fcc.city.fukuoka.lg.jp/event/osaka/
>
大阪近郊の方はぜひ。
【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
< https://www.facebook.com/korowan
>
< https://www.facebook.com/caputllc
>
< http://manikabe.net/
>
そんな話はさておき、官兵衛も堪能したし、今回は官兵衛や他の軍師でも紹介してみようかなと思ったら、既にそのネタはやった後でした。(まにころ49)そこで今回は、『軍師官兵衛』でも最初の方で官兵衛が読んでいた「兵法書」について書いてみたいと思います。「武経七書」と呼ばれる中国古典兵法書について。
◎──「武経七書」
「武経七書(ぶけいしちしょ)」とは、中国古典兵法書のうち、代表的な七つの兵法書のことです。『孫子』『呉子』『尉繚子』『六韜』『三略』『司馬法』『李衛公問対』の七つを指します。『孫子』だけが一般にもずば抜けて有名ですね。
◎──『孫子』(そんし)
中国・春秋時代末期の武将「孫武」の作と言われている超有名な兵法書。その名前は誰もが知っているといってもいいのではないでしょうか。ビジネス書で今なお「孫子に学ぶ〜」と言った内容のものが続々と刊行されています。日本だけで人気なのか、世界的に人気なのかは知りませんが、日本人は昔から『孫子』が大好きです。
武田信玄で有名な「風林火山」も『孫子』からの引用です。『孫子』の中で、軍事行動について書かれた「軍争篇」の中にある言葉で、
「その疾きこと風の如く、そのしずかなることは林の如く、侵掠することは火の如く、動かざることは山の如く」
(其疾如風、其徐如林、侵掠如火、不動如山)
とあるのがそれで、軍隊をどのように動かすべきかが述べられています。実際には「風林火山」だけでなくその後にもう少し続くのですが、旗に書くのにはこれくらいがちょうどいいのと、当時は教養として武将はみんな知ってたので、これで十分と割愛されたんじゃないですかね。想像ですけど。
そんな『孫子』を著したとされる「孫武」ですが、なんせ2500年ほど前の人で、その実在もあやふやで。つい40年ほど前に『孫子』と、孫武の子孫とされる、孫ぴん(「ぴん」は、「濱」の「さんずい」が「月」の漢字)の『孫兵法』の竹簡が発見されて、それぞれの古さの違いから孫武は孫武で存在した(『孫子』も孫ぴんが書いたのではないかと言われていた)のだろう、実在したと考えていいだろうという話が優勢になったくらいで。未だに謎多き存在です。
ただその内容は割と簡潔に基本的なことが書かれていて、だからこそビジネスなどにも通じると、応用されやすいんでしょうね。2500年前の戦争の話なので、使えない部分もそれなりにありますけどね。火攻めとか。(笑)
書籍もたくさん出ていますし、ググれば原文も解説も山ほどでてきますので、一度ご覧ください。
なお「孫ぴん」は「ビン〜孫子異伝〜」というタイトルで、グランドジャンプで連載中の漫画の主人公になっています。孫子ともども謎の人なので、内容は完全創作の超展開ですけども。
◎──『呉子』(ごし)
「武経七書」といっても、『孫子』以外の六つは現代では一気にマイナーになります。なんせ兵法書は戦争についての書、戦国武将ならいざ知らず、なかなか現代に応用できる部分が少ないからでしょう。ただ、あくまで「現代では」って話です。『韓非子』には、『孫子』と『呉子』はどの家にもある、と記されています(「蔵孫呉之書者、家有之」)。
『呉子』も『孫子』と同じく中国・春秋時代の書とされていますが、その作者は不明。「呉起」を主人公として物語形式で書かれているので、著者も呉起か、その弟子あたりじゃないかと言われています。孫武よりちょっとだけ後の時代の人です。
六篇が現存しますが、『漢書』には「呉子四十八篇」と書かれているそうで、散逸したのでしょうか。そう聞くと残りがとても気になりますね。いつか発掘されることを祈りましょう。
『呉子』もたくさん書籍が出ています。『孫子』とセットになったものもあり。また『呉子』もググればあれこれ出てきます。
◎──『尉繚子』(うつりょうし)
さらにぐっとマイナーになります。著者も、書名から「尉繚」だかその弟子だろうと言った程度で、「じゃあ尉繚って誰よ?」という話になったりします(「呉子」はもう少しはっきり「あの呉さんだろう」って言われています)。
『尉繚子』の冒頭で「尉繚」は「梁(魏)の恵王」と会話しています。また、『史記』で、「尉繚」は「政(始皇帝)」を訪ねています。恵王が紀元前319年に亡くなっていて、始皇帝が紀元前246年の即位なので、両書の記述にあるのが同一人物であり真実であるとすれば、20歳で亡くなる直前の恵王に会っていたとして、即位したての始皇帝を訪ねていたら93歳の時のこと。長寿です。
なお内容に、『孫子』『呉子』『孟子』『韓非子』の影響があるとのことで、そこからは戦国時代から秦代くらいのものだろうと言われています。二十四篇。
2000年以上前のことですし、仮にもう少し後世に書かれていたとしても、古来から名著として読まれてきているわけなので、どうでもいいといえばどうでもいいことなんですけどね。
当時の戦争についての具体例が多いので、そのまま参考にはならないのですが、「夫心狂目盲耳聾、以三悖率人者、難矣。」と、精神が乱れていて、人の話を聞かないで、物事が見えないような奴はリーダー失格だと書かれています。
まったくだ、うん。
当然といえば当然ですが、兵法書の根本はリーダー論なので、その点が経営者に受けるんでしょうね。
◎──『六韜』(りくとう)
これまた成立年も著者も不明。呂尚(太公望)が周の文王・武王に指南する形で書かれています。前漢の軍師「張良」が黄石公という仙人から授かったとの伝説があります。日本では中臣鎌足も読んでたらしいですよ。真偽はともかく。
『六韜』なんて、書名も聞いたことがないという方も多いかもしれませんが、「虎の巻」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。「虎の巻」は『六韜』の第二巻にある「虎韜」のことです。
『尉繚子』『六韜』になると、現在発刊されている書籍もぐっと減りますね。『三略』『司馬法』『李衛公問対』も。Googleバンザイ。研究者バンザイ。
◎──『三略』(さんりゃく)
『六韜三略』とワンセットにされることも多い書。「上略」「中略」「下略」の三部構成のため『三略』と呼ばれています。太公望が書き、黄石公が編集したそうですよ。『六韜』とセットにされるのは、どちらも太公望由来だから。真偽? そんなことはどうでもいいんです。中身が大事!
これも読んだことある方は少ないと思いますが「柔よく剛を制す」は『三略』の言葉です。
「軍識曰、柔能制剛、弱能制強。柔者徳也、剛者賊也。弱者人之所助、強者怨之所攻。柔有所設、剛有所施、弱有所用、強有所加。兼此四者、而制其□。」とあり、(□はyiと発音する 宣 に似た漢字)
「軍事指針である軍識には、『柔』でも『剛』を制することができ、『弱』でも『強』を制することができると書かれている。柔の者は『徳』、剛の者は『賊』である。弱の者は人に助けてもらえるし、強の者は恨まれて攻められる。柔にも剛にも弱にも強にも使い所がある。この四者を適宜使い分けるのだ」
というのが元々の言葉です。柔がいい、弱がいい、って話じゃないんですね。それぞれ長短があって、要は使いようだって話。
◎──『司馬法』(しばほう)
斉の司馬穰苴を主人公に書かれた書。書かれたのは、戦国時代中期から秦代と言われています。元は百五十五編からなる書ですが、現存はそのうち五篇です。残念。
「攻其國愛其民、攻之可也、以戰止戰、雖戰可也」とあり、「攻めてもその国の民を愛するなら攻めてもいいし、戦争をすることで戦争が止むのならば戦争を起こしてもいい」と、一部の人には読ませたくないようなことが書かれていたりしますが、戦争を美化する書ではありません。面白いことにこれら兵法書の多くは戦争に否定的です。
◎──『李衛公問対』(りえいこうもんたい)
急にぐっと時代が下って、唐から宋の時代に書かれたとされる書です。李世民と李靖が、歴代の兵法家や政治家について問答する形をとっています。きちんと読んだことはないですが、色々な有名人が出てくるので面白いと思いますよ。
太宗「張良と韓信は兵法書を分類したらしいね」
李靖「張良は『六韜』『三略』、韓信は『孫子』『司馬法』で学んだってよ」
なんて感じで書かれています。
◎──兵法書を読む
長くなってきて明らかに途中で息切れしてしまいましたが、どれもそのままは使えなくても、どこか得るものはある書だと思います。まあそんなこと言えば、どんな書だってそうなんですけどね。
原文はもちろん訳書でも読みにくいものが多いのが難点ですが、別に読み通す必要もないので、何かの折にパラパラと眺めてみるといいのではないでしょうか。古代中国が舞台の小説を読むついでにでも。読書の秋ですしね。
◎──最後にイベントのお知らせ(大阪)
・まにゼミP13『Webデザイン・コミュニケーションの教科書』出版記念
「クライアントのバックグラウンドを考えたビジュアルデザインを実現するには?」
2014年12月20日(土)13:00〜
< http://kokucheese.com/event/index/233176
>
・まにカレ「忘年会というかクリスマス会というか、なんかそんなの」
2014年12月20日(土)18:15〜
< http://kokucheese.com/event/index/233412/
>
・「ぼくらの移住計画」
「ぼくらの移住計画」という、福岡・京都を中心に、大都市から地方都市へと移住して働くクリエイターのトークイベントに、なぜか出演することに。大阪が大都市か地方都市かはともかく、福岡や京都に人材を持っていかれたら困るんですけども。(笑)
2014年11月30日(土)14:00からグランフロント大阪にて。福岡市主催。
< http://fcc.city.fukuoka.lg.jp/event/osaka/
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大阪近郊の方はぜひ。
【川合和史@コロ。】koro@cap-ut.co.jp
合同会社かぷっと代表
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