まにまにころころ[66]NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』
── 川合和史@コロ。 Kawai Kazuhito ──

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こんにちわん、コロこと川合です。もう師走ですか。あっという間の一年で。このまにころも、次回8日はスペシャルの予定なので、レギュラー回は今回が年内最終回になります。本当に早いもので......光陰矢のごとしといいますが、まったく失速しないこの矢は宇宙空間でも飛んでるのかと。

◎──この一年を振り返って

というわけで今回は一年を振り返って何か書こうと、1月からのまにころを自分でざっと読み返してみたわけですよ。そしたらほとんど大河ドラマの話。(笑)

どれだけ官兵衛に終始した一年を送っていたのやら。

でも面白いのは、最初は今回の大河『軍師官兵衛』について、否定的なことを書いてたんですね。最初の五話くらいまで、サッパリだと。それが、官兵衛が上京するあたりからどんどんハマっていく様子が見て取れまして。

まあ改めて思い返しても、最初の五話ほどはサッパリだったんですけどね。最終回を目前に控えた今、最初の五話を二話くらいに再編して、後ろ延ばして欲しいくらい。

関ヶ原を前にして、ここしばらくの官兵衛、ものすっごく面白いんですよ!

息子の長政もそれなりに独り立ちした感があって、ようやく本当に隠居の身として自由になった如水(官兵衛)が、天下分け目を前にして生き生きとしてる! ぜんぜん「隠居」してない! もう、岡田准一如水の笑顔がたまらなくカッコイイ!

残すところ二話ですが、ぜひ観てみてください。ということで、今回は今年の振り返りとして、ここまでの黒田官兵衛の足跡を辿りたいと思います。(笑)




◎──秀吉に出会うまで

官兵衛(幼名:万吉)が生まれたのは、天文15年11月29日。西暦(ユリウス暦)で1546年12月22日、現行のグレゴリオ暦に直せば1547年1月1日のこと。今からおよそ470年前ですね。黒田職隆の嫡男として姫路で生まれました。

お父さんの黒田職隆役の柴田恭兵もいい味出してたなあ。お爺ちゃん重隆役の竜雷太もよかった。

真偽はさておき、江戸時代に書かれた『黒田家譜』(貝原益軒)によれば文学少年だったそうです。大河でも本読んだり、軍談をせがんだりしてましたね。

で、まあすくすく育ち、14歳くらいで父と共に小寺政職に仕え、程なく初陣。この頃は小寺官兵衞と名乗っていたようです。

小寺政職役の片岡鶴太郎は、ちょっとコミカルすぎた。普通にやって良かったと思うのに。政職だけなんだかコントのバカ殿になってたのが残念。

そんなこんなありつつ二十歳くらいの時にお父さんは早々に隠居、家督継いで、結婚もして。小寺政職の家臣として活躍する二十代の官兵衛。世の中は信長が足利義昭とくっついたり離れたりしつつ勢力を拡大してた時期。

三十歳になった官兵衛は、もう世の中の流れは織田やで、信長の天下くるでと、小寺政職の進言。いやいや毛利は落ちんやろーとしぶる小寺家を言いくるめて、信長に会いに行く算段を整えて、秀吉に出会う。秀吉にも信長にも気に入られ、官兵衛としては万々歳。ただ播磨ではちょっと煙たがられる感じに。

義兄の櫛橋左京進(金子ノブアキ)の官兵衛への嫉妬がウザかったなー。

◎──有岡城での幽閉

上手く行きかけてた播磨平定もぽろぽろ綻びが出たりで困難続き。そんな折、荒木村重が謀反を起こして大騒ぎ。大河ではかなり序盤からその村重とは親交が描かれていた官兵衛は、村重を説得に向かう。

というのも、村重の謀反で、主君の小寺政職がうちもやっぱり毛利に付くべきじゃないかと言い出したりで。ちょっと待て、説得してくるからと出かける官兵衛に、政職がじゃあ村重にと持たせた書状にはなんと「官兵衛、もう殺っちゃって」と。

大河では村重の嫁、だしが庇ってくれたり、また村重も官兵衛の命を惜しんで、とりあえず幽閉。狭く汚い土牢で悪夢のような一年間の幽閉生活。

村重役の田中哲司、だし役の桐谷美玲はいい感じでした。それぞれ良かった。田中哲司は現実では先日、仲間由紀恵と結婚してビックリしましたけど。

さて村重のとこへ行って戻らない官兵衛は、信長に裏切ったと思われ、人質として秀吉に預けていた長男の松寿丸(長政)を殺されそうになるわ、散々で。官兵衛が裏切ったりしないと見抜いていた竹中半兵衛が機転を利かせて、松寿はなんとか命拾い。

ここの半兵衛のエピソードは、もっと泣かせる見せ方できたんじゃないかなと。ちょっとネタばらしが早すぎたように感じました。まあ黒田の離反を防ぐには、早めにそっと知らせておいたほうが良かったでしょうし、それはそれでいいんですけども。

谷原章介の竹中半兵衛は、ちょっと線が細すぎた気も。病弱なことを思えば、まあアリなんですが、それならいっそ、もっと線の細い美青年でもよかった。少し中途半端な感じがしたんですよー。あと、大河『秀吉』での古谷一行でのイメージが私の中に強く残っていたのも、谷原半兵衛がピンとこなかった一因。

◎──中国大返し

一年の幽閉からなんとか救い出された官兵衛は、療養を経て復帰するや大忙し。色々ありながらもせっせと中国地方を攻略、いつの間にか松寿も大きくなって、黒田長政として初陣を飾ったりしつつ、備中高松城を水攻めしていたところへ、本能寺の変。取り乱す秀吉を押さえつけ「好機が訪れましたぞ」の名台詞。で、一路京都へ引き返し、光秀を討ち果たす。

このあたり、何かと力を入れていた本能寺の変は、ちょっと江口洋介の信長が重みに欠けて個人的にはしらけた感じで。春風亭小朝の明智光秀はさらに輪をかけて重みに欠けて。小物感が半端なかった。

挙げ句、山崎の戦いはこれまであったどの戦よりも軽く描かれたんじゃないかと思うほどの淡泊っぷり。光秀、戦どころか他の他愛ないエピソードよりも短いような放送時間で瞬殺。ひどい。天王山の戦いがあの扱いって。まあ、あの光秀ならあれくらいでよかったかな。

◎──秀吉の天下

上手いこと立ち回って天下を取る秀吉。ここの描き方も淡泊だった。柴田勝家、数分で自害。信長の息子連中とのあれこれもほとんど省略。気がついたら秀吉、天下人になってました。で、茶々に石田三成にとやっかいなのが台頭してきて、秀吉は朝鮮出兵へ。

太閤ゆかりの大阪人としては、ここの秀吉の描かれ方は、ちょっと残念。もう少し、秀吉にドラマを与えて欲しかったなと。天下取って、調子に乗って、官兵衛遠ざけて、暴虐な振る舞いをって、ちょっと単純すぎ。なんかここまで描いてきた秀吉像が一気に台無し。話数の都合に負けた感じが。

そんなとんでもない秀吉の下で苦労する官兵衛。秀吉の死に際でのやり取りは良かったですけどね。

◎──吹っ切れた官兵衛

ここからですよ、イキイキ官兵衛が観られるのは! 秀吉が死んで、おねも出家して一線から身を引いて、しがらみから解き放たれた官兵衛! 長政もそれなりに大人になって、家康に転がされながらもまあ独り立ちした感じで親の手を離れ、もう官兵衛の生き生きっぷりが凄い! 古参の栗山善助、井上九郎右衛門、母里太兵衛らと悪だくみするブラック官兵衛! 最高です!

◎──ラスト二話

という感じで、ラスト二話。いよいよ関ヶ原です。土曜日の再放送も観れば、これからでも三話観られます。解散選挙のせいで最終回が一週延びましたが、それもまたよし。九州全土を手中に収めて中国を駆け上がり天下を狙う算段を立てた官兵衛の姿を、是非ご覧ください! 私も楽しみでしかたないです!

◎──最後にイベントのお知らせ(大阪)

・まにゼミP13『Webデザイン・コミュニケーションの教科書』出版記念「クライアントのバックグラウンドを考えたビジュアルデザインを実現するには?」
2014年12月20日(土)13:00〜
< http://kokucheese.com/event/index/233176
>

・まにカレ「忘年会というかクリスマス会というか、なんかそんなの」
2014年12月20日(土)18:15〜
< http://kokucheese.com/event/index/233412/
>

大阪近郊の方はぜひ。

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「ぼくらの移住計画」無事終了。福岡・京都・大阪の比較、面白かったです。
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