今回ご紹介するのは「ゼニス」です。ゼニスはその名前を知っているかいないかで、腕時計に興味があるかどうかを判断できる、試金石となるブランドだと思います。
腕時計が趣味の人は知っていてあたりまえ、腕時計に興味がない人は聞いたことも見たこともないブランド。それがゼニスです。
●スイスの時計産業
スイス、ジュウ渓谷にある街ル・ロックル。人口わずか1万人前後の小さな街ですが、17世紀以来、スイス時計産業の中心地として知られています。時計製造のマニュファクチュールの実現を夢見ていたジョルジュ・ファーブル・ジャコは、1865年、ここにゼニスを創業しました。
●ブランド名の由来
1911年、ジョルジュは自らのマニュファクチュールに「ゼニス」と命名します。これは「天頂(宇宙の頂点)」を意味します。また、幸運への道しるべである「星」をブランドのシンボルマークとしました。ブランド名やシンボルマークからも、最高のものを作りたい、という気持ちが見て取れます。
●アメリカ式生産方式と拡大
ゼニスはスイスの時計メーカーでありながら、アメリカ式の生産方式を積極的に取り入れたり、互換性のある部品を使用することで修理可能な時計の生産を行うなど、当時としては革新的な時計メーカーでした。
創業の10年後には総従業員が1,000名を超える大規模メーカーへと発展し、瞬く間にスイスを代表する大手時計ブランドとなりました。
●エル・プリメロ
ゼニスと言えば、高性能クロノグラフがブランドの代名詞。多くのクロノグラフに搭載されている自社製ムーブメント「エル・プリメロ」の完成度は高く、誕生当初の1969年から僅かな改良を加えたのみで、現在もなお世界最高峰の自動巻クロノグラフムーブメントとして君臨しています。
エル・プリメロの存在は、ゼニスをその名にふさわしい「究極」「頂点」のブランドとして位置づけているといえます。
●世界屈指の総合時計メーカー
ゼニスは最先端のクオーツ時計を発表する一方で、現在もクラシカル・ポケットウオッチの生産を続けています。このことからわかるように、守備範囲の広い、世界屈指の総合時計メーカーであるといえます。
【吉田貴之】info@nowebnolife.com
イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。