●フォーム改造の歴史w
ペンの持ち方のフォーム改造は10年前にやって、それまでの「人差し指グキッ」持ち方よりずいぶん書きやすくなってた。
『グラフィック薄氷大魔王[130]鉛筆の正しい持ち方』
https://bn.dgcr.com/archives/20080402140200.html
一年前にも、Pixarやディズニーのアーティストの「薬指あたりで先端を支える」変な持ち方を参考に、大きい範囲を動かせるようにした。ただ、勢いに任せるような書き方はできないので、いつもやってるわけではない。
『グラフィック薄氷大魔王[473]ペンの持ち方のフォーム改造再び』
https://bn.dgcr.com/archives/20160420140100.html
●新しい持ち方フォーム
先日から試してた持ち方。「Pixarの持ち方を念頭に、親指の関節を支点にし、人差し指の腹でグリップペンの先端の太い部分より下から、擦り上げるように支える持ち方」。
親指の関節がペンの回転の中心で、動きを妨げるものがない。「下から擦り上げる」のは、ペン先を押しつけるだけでなく持ち上げる力も働かせられるので、細かいコントロールが効く気がする。
描きやすい持ち方なんて人それぞれなので写真載せても意味ないんだろうだけど、いちおう写真。
この持ち方、今まででベストかもしれない。とにかくブレない。どんな方向の円弧を描いても、ブレずにしっかり描ける。小さい丸も大きい丸も、素早く描ける。円弧の右や下側を描くのが苦にならない。
従来描けなかった角度の線を描けるってことは、いちいち画面回転させなくてもいいんだよ。ラク!
この持ち方はスプリング芯でも非常に調子がいい。右側の円弧の描きやすさ最高。新intuos Proってスプリング芯がないんだよなあ。
●グリップペン
僕は太いグリップペンが苦手で、細めのクラシックペンをメインに使ってるんだけど、今までも下向きの円弧は、グリップペンのほうが明らかに描きやすいと感じていた。
そのへんが「人間工学に基づいたペン」なんだろうなと思ってたけど、とにかく太いペンを持つのが不快。グリップを外して細くしたりしてた。
苦手だと思ってたグリップペン、持ち方を変えるだけでけっこうイケそう。ちょっとこの持ち方を続けてみる(普通の操作ではサイドボタンが押しにくかったりするので、従来の持ち方するけど)。
↑板タブを使う場合の話です。液タブではまだ試してない。けど、こんなに板タブでも描きやすいんだったら、液タブ使わなくて済むかも。
●すぐダメになるw
……さっき描けてた描き方がもうわからなくなったw 今までも、速度や力の加減がうまく交差した瞬間にめちゃくちゃ描きやすくなるんだけど、長時間は続かない。でもしかし、たぶんさっきの持ち方が正解の一つなはずだ。
少し時間をおいたら、また描けるようになった。結局「お! 調子よく描けるぞ」ってクルクル描いてるうちに、スピードが上がりすぎるのが原因だろうな。持ち方だけじゃなく、ペンを動かすスピードにも気をつけないと。
あと、同じ持ち方で全部に対応は無理。じっくり描く場合や清書はこの持ち方でイケるけど、走り書きや肩で描く場合は持ち替える。
まあ、描きにくいなあと思ってる時の大半は、十分に拡大表示してない、というか面倒で表示変更をサボってる場合多し。拡大すりゃだいたい思い通りに描ける。
また描けなくなったw なんとかこの機会にコツをつかみたい!
●液晶タブレットでは?
Cintiq 27 QHDでこの持ち方を試してみた。ツルツル上でもブレずに描けるのは確かだし、腕をぶん回すんじゃなく指先で描くので重力の影響を受けにくく、画面をかなり立てて描いても大丈夫……なのだが、描いてる部分が完全に手の下に入っちゃって見えない。ダメだこりゃ。
紙にボールペンでも同じ持ち方でイケるかと思ってたけど、試してみるとやっぱ描いてる部分が手で隠れて見えないw 板タブ専用の持ち方だな。
●クラシックペンではどうか?
その後、細いクラシックペンの持ち方も工夫してみた。親指、人差し指、中指を揃えて先端を押さえつけるような持ち方。これだと円弧の右側も比較的書きやすいのと、上の持ち方と違って比較的勢いに任せたスピード書きもできるっぽい。
【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com
Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/
フォーム改造に凝りすぎたか。昨日からぜんぜん描けない。板タブはまったくダメ、鉛筆もヨレヨレ。Cintiq 27の大きな画面に、腕全体で描くならなんとか大丈夫だが。もともとどうやってペンを持って描いてたのか思い出せないw
まだまだ仕事のドローイングいっぱいする予定なのに、ヤバい。で、妨げになるものを根本的になくそうと、ペンの持ち方フォームとは関係ないぜんぜん別の方法を試したら、結構イケるかもしれない! ってなった。また書きます。
・スワロフスキーのLovlotsシリーズ「Hoot the Owl」
http://bit.ly/2oOpgKg
・ショップジャパンのキャラクター「WOWくん」
https://shopjapan.com/wow_kun/
・パリの老舗百貨店Printemps 150周年記念マスコット「ROSEちゃん」
http://departmentstoreparis.printemps.com/news/w/150ans-41500
・rinkakインタビュー記事
『キャラクターは、ギリギリの要素で見せたい』吉井宏さん
https://www.rinkak.com/creatorsvoice/hiroshiyoshii