グラフィック薄氷大魔王[612]「気が進まなかったシド・ミード展」他
── 吉井 宏 ──

投稿:  著者:



●気が進まなかったシド・ミード展

平日としては最終日の先週金曜、アーツ千代田 3331の「シド・ミード展」に行ってきた。

いや、スルーする気満々だったんだけど、みなさんFacebookなどで絶賛してたり、「この展覧会に行かなければ今後メカデザインを語る資格はない」とか書いてる人がいたり、プレッシャーが強いw

(メカデザインはともかく)見に行かずに何か言うの気が引けるというか、ずっと後悔し続けるのもイヤだし。しかたなく出かけた。
http://www.yoshii.com/dgcr/SydMead-IMG_1998





そりゃもう、シド・ミードといえば、「スターログ」誌でSFビジュアルにあこがれたのがきっかけで、イラストレーターになった僕としては、「ブレードランナー」の頃から「神々」のひとり。画集も「センチネル」と「オブラゴン」買ったし。金属や自然の描き方なんかけっこう真似した。

「センチネル」表紙の原画もあった!
http://www.yoshii.com/dgcr/SydMead-IMG_1999

「センチネル」は2008年の本棚まるごと処分大会と、その後の書籍自炊大会を生き残って、まだ持ってるくらいには好きなんだよなあw (今、昔から持ってて残ってる画集は20数冊しかない。ギーガーのでかい画集などもみな処分)

ただ、初期に好きになったものにありがちだけど、なんか気恥ずかしい感を伴う。僕的にはミュシャとかそうだし、もっと言えば生頼範義もそうかも。

なんちゅうか、70年代後半〜80年代前半にかけての「そういうものを好きになったスタート地点」から一生懸命に離れようともがき続けて、自分の世界を作ってきたわけで。

SFやメカは80年代に置いてきた僕的に、「いまさらシド・ミードを振り返っていいのか?」感は大きかった。30年以上前の感覚が蘇ってしまうのは、ある意味恐怖でもあるのだ。まあ杞憂だったけどねw 行ってよかった。ケリがついた気分。

さすがに、デザインしたモノをドラマチックな「絵」として見せる力量には、ひれ伏すしかない。ほんとにカッコいい。ガッシュの筆跡とか生き生きしてる。

工業デザイナーの余技がたまたまブレイクした人なイメージだったけど、もう純粋に映画とかのプロダクションデザイナーというか、コンセプトデザイナーの人として捉えることにする。

プロダクションデザインという活躍の場を得て、彼自身が考えた未来をビジュアルとして提示できたんだな。それがそのまま現代に自然に溶け込んでる。

70年代以前に描かれたデザインも古びてなく、40〜50年たってても未来のままってところがすごい。(同じく未来的イラストの長岡秀星も活躍の分野次第でシド・ミード以上にイケたかも、と思った)。

三連作をつないだ巨大プリントは見応えあったなあ。色調はぜんぜん派手に変えてあったけど、シド・ミードの未来像の集大成のようだった。
http://www.yoshii.com/dgcr/SydMead-IMG_2001

●Excelの行数が一致!w

下矢印キーを9時間36分押し続けて到達した「Excelの底」が「104万8576行目」だそう。ギズモード「ヒーロー誕生! Excelの底を見た男」
https://bit.ly/2QJwn6h


これ、昨年書いた「日付欄の自動作成を試してみたら、西暦4888年11月25日木曜日まで作られてて、104万8576行あった」と完全一致ww

http://www.yoshii.com/dgcr/20180831_excel
https://bn.dgcr.com/archives/20180926110100.html


日付をどこまででストップするか設定しないとそうなる。「104万8576行」って何だろう? たぶんデータ格納のビット数の何かかな?

そもそも下矢印キーを押し続けなくても、「最下行に移動」のキーボードショートカットを使えば一瞬なんだけどねw


【吉井 宏/イラストレーター】
HP http://www.yoshii.com

Blog http://yoshii-blog.blogspot.com/


一部を除き写真撮り放題な展覧会っていいね(スマホやタブレット等のみ。ちゃんとしたカメラは使用不可)。観客の反応がスマホを構える動作としてわかるのが面白い。その意味で、おしゃべりし放題も希望!

○吉井宏デザインのスワロフスキー、新製品がいくつか出ました

・見ざる聞かざる言わざるの「三猿」
https://bit.ly/2UF4LzF


・フクロウHOOT、踊りたい気分! 「HOOT LET’S DANCE」
https://bit.ly/2Dc6p4Z


・恋に落ちたフクロウHOOTたち「HOOT WE ARE IN LOVE」
https://bit.ly/2BlyBC4