腕時計に興味を持って、いろいろ調べるのは至福の時間です。そのうち、「欲しい物リスト」に入る腕時計がきまると思うのですが、その段になって家族の同意が得られないことがよくあります。
また、腕時計がマイナーな道具になってしまった現代では、腕時計のことを話題にできる友達が身近にいるとはかぎりません。より腕時計を楽しむべく、周囲の人を巻き込むための、「腕時計に興味をもたせる5つのステップ」を紹介します。
▽ステップ1:必要性を論じる
誰かに腕時計の話をしたときに、かなりの確率で「スマホがあるからいらない」という反応が返ってきます。これは、もっとも一般的な反応でありながら、核心でもありますので、対策をしっかりと練っておくべきでしょう。
多くの場合、ファッションアイテムを必要性で論じること自体、ナンセンスであることを伝えると大丈夫です。好きだから欲しい、かっこいいと思うから欲しい、これを前提に、次のステップに進みましょう。
▽ステップ2:モノとしての魅力を伝える
腕時計の一番の特徴は「小さくて硬い」ことです。金属や革、ガラスや樹脂を自由自在に組み合わせて作り上げられた腕時計からは、高級感や重厚感が漂います。その精緻な加工も、モノとしての魅力を高めるのに一役買っています。
手にした時に感じる満足感と充足感もさることながら、落としたらどうしよう、壊れたらどうしよう、という不安から生まれるちょっとした恐怖感と対峙することは、腕時計ならではの魅力です。
▽ステップ3:機械と機能を掘り下げる
機械式腕時計の仕組みは、実はあまり一般的に知られていない知識です。ゼンマイが解けていく力をコントロールしながら、振り子で時間を測り、視覚化する。この流れを説明するだけでも、興味を持ってくれる人はたくさんいるはずです。
さらに、クロノグラフやトゥールビヨン、永久カレンダーなどの複雑な仕組みをゼンマイと歯車だけで実現する技術的な話は、知的な話が好きな方に好まれます。
▽ステップ4:歴史とストーリーを語る
みんながよく知る有名ブランド、たとえばセイコーやロレックスなどのブランドの歴史なども、興味を持って受け入れられることが多いようです。
なかでも、初めてのダイバーズウォッチとか、初めてのクォーツ時計など、エポックメイキングなモデルは、開発や販売にまつわるストーリーが豊富です。腕時計の歴史において、どのような影響を与えたのかなどを交えてお話すると効果的です。
▽ステップ5:資産価値をプレゼンする
品位に欠けた話になるので優先順位は高くないですが、腕時計の価値的な話をするのもわるくありません。アンティークやヴィンテージの個体であれば、購入時と比較して流通相場の上昇も期待できるでしょう。
新品のモデルでも、転売されるのを防ぐために購入数を限定しているブランドも多くあります。高い買い物ですが、買っても損をすることはない、という流れに持っていくことができれば、悪くない趣味だと思ってくれる人も多いのではないでしょうか。
【吉田貴之】info@nowebnolife.com
イディア:情報デザインと情報アーキテクチャ
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兵庫県神戸市在住。Webサイトの企画や制作、運営を生業としながら、情報の整理や表現について研究しています。